点から線へ。
2010年9月15日9月以降は模試を受ける機会がグッと増えてきます。そのたびに結果が求められますが社会も例外ではありません。
ですが、社会が苦手だという生徒は少なからずいます。サボっているわけではないのに得点できない生徒もいます。
それは物事を点で覚え、線で覚えようとしないからです。つまり、体系的に覚えない・覚えようとしないからです。
例えば「普通選挙法」。このことば予習シリーズに出てくる重要語句ですから皆さんすでに暗記済みですよね。しかし、ある生徒が言いました。「あっ、普通選挙法って~ページにある要点チェックの下から~番目に書いてあったやつだ」と。
ある意味すごい!そういう覚え方をしているんですね。何の役にも立たないけど(笑)。そして、その生徒に「じゃあ、普通選挙法って何?」ときくと、「ええと、基本的人権の、社会権の・・」。えっ?もしかして「労働基準法」とゴッチャになってる?似ているのって「~法」ってとこだけじゃん!
歴史と公民が混同してしまっているんですね。こうなる原因は二つ。
1.ことばの意味自体を理解していない。(暗記一辺倒でそんな余裕がないのか?)
2.前述のように「体系的」に覚える工夫をしていない。
歴史の場合「遡り学習法」というのがあります。先ほどの「普通選挙法」ですが、これが生まれた経緯は護憲運動・本格的な政党政治を目指すため。「なぜ?」藩閥政治の弊害をなくすため。「藩閥政治って何?・・。」というように質問攻め(自問自答)をし、歴史を遡っていきながら個々の内容を線で結びつけていくという作業をするのです。矢印などで重要事項を線で結び、ノートにまとめる工夫も大切ですね。(社会のできない生徒はとにかく手を動しません。ボーっとテキストを眺めているだけです。めんどくさがりやさん。楽をしていては脳に定着しませんよ)
この作業をしていくと定着度も高まりますし、また物事の起因、例えば「太平洋戦争」が起こった原因も「東条英機の独裁」などという単純な理由でないことも見えてきます。同じように、現在の「円高」「デフレ」に至った要因についてもこの作業に慣れた生徒なら見えてくるはずです。
歴史を学ぶとはこのような作業を通し個人の洞察力を鍛えるためです。マスコミや大人のいうことを盲目的に信じるのではなく、歴史という事実から物事を推察判断していく能力を個々が身につけていくことがこれから先自己責任が求められる時代を生き抜いていくために必要になってくるのではないでしょうか?