年表の活用。
2010年8月15日8月も半ばとなりました。本日は終戦記念日ですね。また、今年は日韓併合百年目に当たる年です。1910年から1945年までの歴史を総おさらいする絶好の機会ですので、ご家庭でも「どのようにして戦争が始まり、終結していったのか」について今一度ご検証なさってみるのもいいかもしれません。
さて、歴史は「流れて」います。今の出来事は過去の出来事がきっかけで生じたものであり、未来は現在を基に作られていきます。つまり、過去・現在・未来それぞれが因果関係を持ちながらつながっているのです。前述で言えば、日本が韓国を植民地化したのも、また、韓国が植民地化されたのも過去にそうなるべくきっかけがあったからでしょうし、日本が無謀とも思える太平洋戦争に突入し、その結果、無条件降伏に至ったのも過去とのつながりの中で必然的に生じた出来事であるととらえるべきでしよう。
歴史は流れています。しかし、それを一本の線としてとらえるのではなく、継ぎ目(きっかけ・歴史の節目)だらけの短い紐がジョイントしながらつながっていると考えた方がいいでしょう。奈良時代から平安時代、平安時代から室町時代、時代の変化の節目にはどのような出来事があったのか考えてみることが大切です。
よく「歴史から学べ」と言われますが、不況と言われる現在についても、これと類似する過去を見つけ、そのとき先人はどのように対処したのかを考えることで解決の糸口を探ることもできます。しかし、これは「不景気が生じる理由」「国がバンバン国債を発行する理由」など歴史を流れとしてとらえるという発想がなければ光明を見出すことができません。
当塾には個々の歴史の知識が頭に入っているにもかかわらず、それをテストで活用できない「残念な生徒」がいます。なぜそうなるかと言えば、歴史を流れとしてとらえていないからです。極端な話をすれば覚えた重要事項がいつの時代のもので、なぜ発生したのかを「うろ覚え」にしているからです。
当塾生には「年表」をお渡ししました。そこには歴代天皇系図などさまざまな表も盛り込みました。すると、例えばですが、藤原京を築いた持統天皇と、平城京を築いた元明天皇が姉妹であり、その父が天智天皇であるというテキストだけでは説明されていない事実が明らかになり、生徒が驚いたりするのです。つまりそれは歴史を身近な映像としてとらえることができるようになった表れなのです。 映像化された歴史は生徒にとって魅力的な科目に変身します。
「歴史は流れから入る」。歴史を学び、歴史から学ぶためにもまず「年表」から入っていくことをお勧めします。