[特記] 暗記について。③
2010年7月15日前回のお話し通り、今回は「暗記のコツ」について少々述べさせていただきます。
一つは「語呂合わせ」。特に年号を覚えるときによく使いますよね。無機質な数字をそのまま覚えるのはつらいし、面白味もないのですぐに忘れてしまいます。しかし、それを視覚化できるようドラマ仕立てにすると、インパクトが強まり記憶に残りやすくなります。例えば「鳴くよ(794)うぐいす平安京」。うぐいすと貴族社会のコラボが優雅な雰囲気を見事に醸し出し(そう考えているのは私だけ?)印象に残りやすくなります。もちろん市販の「暗記ノウハウ本」で覚えても構わないのですが、自分だけのオリジナルの「語呂合わせ集」を作ってみてもいいのではないでしょうか?ちなみに私が個人的に好きなのは「イチゴのパンツ(1582)をはいたまま襲われた織田信長」(本能寺の変)です(信長とイチゴのパンツの組み合わせがシュール過ぎる!)。その18年後(1600年)が「関が原の戦い」ですので、それを考えるとそこまで辛抱し天下統一を図った徳川家康はやはり傑物だったんだなと感心してしまいます。このような人間模様を垣間見ることができるのが歴史の魅力なのでしょう。身近でそれが体験できる「歴史マンガ」「大河ドラマ」の観賞などを通し、そこから歴史が好きになったという生徒が多いのは事実です。興味・好奇心を持つことこそが記憶への近道ですね。
※笑い話を一つ。「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」をどう勘違いしたのか「よい国」と覚えてしまい、解答欄に「4192年」と書いた生徒がいました。 42世紀か!
もう一つは「頭文字暗記法」。これは人名を続けて覚えるときに有効です。例えば歴代総理の苗字だけをピックアップすると「伊藤・黒田・山県・松方・伊藤・松方・伊藤」となり、頭文字だけ並べると「いくやまいまい」となりますよね。その「いくやまいまい」に意味をを持たせ「行くやマイマイ」=「行くのだ。かたつむり(マイマイ)」と覚えていくのです。(数学のルートや円周率、理科の元素記号もこうやって覚えましたよね)これも印象深く記憶する方法です。
あとは「根性」ですね。たとえ上記のようなノウハウを知っていても「覚えようという気迫」「一つ一つに対し気に留めようとする意識」がなければ全く功を奏しません。「国語ブログ」でもお話しましたが、行き着く先は結局「生徒の精神力(人間力)の有無」になるのです。
「効率よく覚えていく」に越したことはありませんが、たとえノウハウ無視であっても、たとえ不器用な丸暗記作戦であっても「これは入試に出るかもしれない」という危機感・緊張感をもってがむしゃらに頑張った子、時間がかかっても確実に覚えようと努力した子のほうが結局最後には栄冠を手にします。生徒の皆さん、残りの期間は「隙がなく妥協とは無縁な自分に厳しい人間」になれるよう精進しお過ごしください。
※ 夏講の社会も妥協とは無縁です。重要事項はすべて暗記していただきます。その分、家庭学習は大変でしょうが、お渡しした「社会学習表」通りに実行していただければ二学期以降グッと楽になります。その後は算数・理科の追い上げですね。「成功の方程式」を軌道に乗せるためにも文系科目は早々に仕上げてしまいましょう。