来年度の入試傾向について。②
2010年6月22日先日も申し上げましたが、当塾では現在公民の授業を行っています。そして、司法・立法・行政の学習は一通り終了しました。当塾生の皆さん、理解しにくい箇所も多いと思いますのでしっかり復習を積み重ねてくださいね。
さて、公民は「大人の世界」の話なので、小学生にはピンとこない部分が多いと思います。が、今最も「熱い」話題の一つでもあるのです。
例えばニュースでも話題の中心は、選挙・消費税率引き上げ・財政赤字問題などが目立ちますね。それを見て「あれ、これってこの前公民の授業でやった内容と同じだ」と気付くことも多いと思います。そういう機会が増えていませんか?
昨今、政治や経済を取り上げたバラエティー番組の視聴率が伸びています。それだけ今の社会状況に対して老若男女問わず関心を抱いているということなのでしょう。
政治に関心を持つのはいいことだと思いますが、それはそれだけ皆が将来に対し漠然とした不安を持っているという証拠でもあるわけです。「政情不安な国ほど民衆は政治に興味を持つ割合が高い」と言われますが、日本もついにここまできたかという感を抱きます。
例えば「国の借金」と言われる「公債残高」。900兆円に達するのも時間の問題です。その額は一般会計税収の10倍以上。これを家庭にあてはめると40万円の月収なのに4000万以上の住宅ローンを抱えているのと同じ状況になります。しかも、その40万から月々の生活費(国で言う一般歳出)33万が消え、田舎の実家への仕送り(国で言う地方交付税交付金・国庫支出金)11万円が消え、するとあっという間に40万が消え、更にそれを補うべく新たな借金を重ね、その一方でローンも返し・・・。と、家庭で考えてみるとぞっとする状況ですね。自己破産しようにもデフォルトすると日本の国債は信用力が落ち、IMFの介入を受けるなどにっちもさっちもいかなくなります。こんな家庭では君たちのお小遣いも期待薄です。そう考えるともう他人事ではありませんね(笑)。
来年の入試。もし、私が出題者なら「未来の財務大臣の君たちへ、この危機を乗り越えるにはどうすればいいと考えますか?」という字数無制限の記述問題を出します。今まで教わった重要語句を用いてという条件で。
もはや「大人の世界」とばかり言っていられなくなりますね。この問題はちょうど幕末期に日本が危機に陥ったとき、幕府が各藩の有能な若者たちに「意見書」を提出させたの似ています。(その中から明治維新の傑物が現れることになりますが)
社会の学習の本質は暗記ではなく、地理・歴史・公民の知識を駆使し、現在の状況を考えていくことにあると思います。
当塾ではこれからもこのような視点に立った授業を展開してまいります。