学問に王道なし。③
2017年8月06日
続きです。
「うちの子は積極的に家庭学習しているはずなのに、成績が伸びない」とお悩みの親御さんに質問します。(これは私が体験授業でご父兄にお聞きすることなのですが)お子さんは以下のことを自分から行っていますか?
1.テストの解き直し
2.わからない言葉を辞書で、わからない事項をネットなどで調べる作業
3.わからない問題があれば講師に質問する
これが「ノー」であるなら、お子さんの家庭学習は「労多し、されど効果なし」になっている可能性があります。
同じことを繰り返しますが、家庭学習の目的は「定着」と「漏れ防止」です。これができるならそれでOK、学習時間・学習態度は問いません。家庭学習を難行苦行にする必要はありません。根性とか精神論とか過程なんてどうでもいいのです。目標さえ達成できれば、結果さえ出せればそれでいいのです。
前述の1~3をやろうとしないのは「漏れがあっても別にいいし、それを放置しても構わない」と思っているからです。こういう子は家庭学習の大前提である「漏れ防止作業」を自ら放棄してしまっているのです。このような性格・性質の生徒の行う家庭学習は中身が薄く、故に進歩しない。進歩しなければ厳しい中学入試では淘汰されるだけなのです。
彼らの家庭学習がどのくらい薄いのかと言えば
A.ただ、机に向かっているだけ。その時間を「学習時間」にカウントしてしまい自己満足している。
B.(すでに定着しているのも関わらず)自分の好きな科目の自分の好きな分野だけを繰り返し学習してしまう。
C.補うべき分野を直視しない、最優先すべきことを平気でスルーしてしまうような学習にしてしまう。
ということになります。
私は「苦手分野はスルーしてもいいから、得意分野で伸ばせばいい」という考え方が嫌いで、「苦手得意の境を無くしバランス良く取り組む」という学習法を支持します。リスクヘッジのためですね。日頃の学習は入試で受かるためというより、落ちないことを重視した取り組みにすべきだと思います。
上記の1~3を放棄する子はどういう子かと言えば「めんどくさがりや」ということになります。入試で失敗する子は頭の悪い子でも能力のない子でもありません。「めんどくさがる子」「無気力な子」「学習への積極性に欠けている子」です。加えて「家庭学習する目的が分かっていない子」=「家庭学習のベクトルがずれている子」です。要は本気ではないのです。本気になれない子が受かるはずなどありません。無気力な弱い子は負けます。おいしいところは全て強い子に持っていかれます。人生ってそんなもんですよ。自分の人生を強者の養分にしたくなければ、かませ犬や引き立て役で終わりたくなければ、まずはその負け犬的な性格を「勝てる性格」に変えていきましょう。
「テストの見直し?図形は苦手だしやりたくないな。めんどくさいな」という子は何時まで経っても算数の図形を克服できません。「わからない言葉調べ?めんどくさいな」という子は何時まで経っても国語の文章を正しく読むことができません。それでいて「算数ができるようになりたい」「国語ができるようになりたい」ですか?労無くして利を得る。こんなうまい話、世の中にはないのです。
手間のかかる作業・根気のいる作業を避けていては、何の進歩も向上も期待できないのは当たり前の話なのです。
毎度同じことを繰り返しますが、漏れがなくなれば入試は受かります。
この理屈に基づいた学習をするかしないかで入試は決まります。
この点をよくよく肝に銘じ、入試までの期間をお過ごしください。
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