勉強を苦痛に思わない、思わせない。②
2024年5月01日
※ いよいよ5月です。2月入試まで残り9ヶ月。まだまだ猶予があるように思いますが、ここから先は意外なほどあっという間に時間が過ぎ去って行きます。ですから夏休みに入るまでに四教科一通りテキストを仕上げておくことをお勧めします。夏以降は過去問です。学習は早め早めに仕上げて行くのが鉄則です。
勉強するのは中学受験成功のため、そして大学受験、就活成功のため。就活に全力を尽くすのはある程度の生涯賃金を得るため、そして退職金、年金を得て、年金受給後は健康の心配、相続の心配、ローン返済の心配・・このように「人生の設計図」を大まかに書き込んでしまうと、結局勉強というのは「将来の心配を回避するため」なのかな、と思ってしまいます。しかし、この心配は上記のように一生を終えるまで続いていくのです。もうキリがありませんし必ずしも全員が全員長寿が保証されるわけではありませんから、「将来のために今を犠牲にして耐えて我慢して」そして次の日に亡くなって・・みたいになったら人生嬉しいですか?というお話は前回も述べせていただきました。
そしてこれも前回触れましたが「・・」したいから・になりたいからではなく、「・・」を避けたいから・が心配だから、が理由で取り組むことは大抵消極的になりがちです。モチベーションが上がらないからですね。そして大抵イヤイヤになります。外部からプレッシャーがかかれば尚更ですね。必要だとわかっていても避けたくなるものです。
勉強を自分からやる子、勉強を楽しんでいるような子を見ると大抵の大人は褒めます。偉いねーとか言いますよね。
しかし(私もその類の人間なのですが)こういう子は野心家なのです。偉いとかそういう類のものではなく、自己肯定感と満足感を充実させたいがために勉強している人間なのです。要は「人より上を目指したい」「マウントを取りたい」のですね。そういう点では聖人君子とは程遠い、結構不純な動機で勉強しているんです(笑)。こういう生徒さんは毎年必ず出現しますが、彼らにとって勉強とは自分の欲を満たすための手段ですから意欲的に取り組みます。だから入試では強い。今年JGに入ったAさんもその塊のような女の子でしたね。
つまり勉強はその動機によって楽しみになったり苦痛になったりもするのです。おそらく勉強嫌いな子は「勉強しないと・・になっちゃうよ」というプレッシャーを日々与えられ、元々モチベが薄い中で「やらされる感」を背負わされているから伸びないのです。親御さんもそういうプレッシャーばかり与えて、幼少期より子どもの自己肯定感を高めるようなことをやってこなかった。つまり双方が間違った目的で勉強したりさせたりしているから伸びないのです。
スポーツ選手も一代で財を成した創業者も、皆に共通しているのは野心家であるということです。大谷選手が「お父さんや監督がうるさく言うから仕方なく練習を・・」なんて考えられますか? ユニクロの社長が「お金を稼がないと老後心配だから仕方なく会社を興して・・」なんて考えられますか?
こういう大谷選手や柳井社長のように自然な形で「一旗あげよう」みたいな意欲に満ちた子に育てることが肝要なのです。子育ての目的とは究極的に言えば「生きることを楽しみ、生きる意欲に満ち溢れた子どもにする」ことだと思います。
次回は新テーマです。