塾通いしているのに成績が伸びない理由。⑤
2011年6月20日
※ いよいよ夏期講習が一ヶ月後にスタートします。去年もここから飛躍的に成績を伸ばしていった生徒がいます。学力はちょっとしたきっかけで向上させることが可能ですので、実感されたい方はお気軽にお問い合わせください。(外部生は5名まで)
さて、先日お話した「宿題」の件ですが、それは使い様によっては薬にも毒にもなります。宿題を薬にするのは「希望する中学に確実に入りたい。そのためにもあらゆる種類の問題に接し、そこで数多くの解法をマスターし、どんな状況下でも冷静に入試に対峙できる力を身につけておきたい」と考えられる生徒です。つまり、自分の置かれている立場を理解している「大人」の生徒ですね。
ですが、大半の生徒は上記のことは理屈でわかっていてもなかなか実行に移せません。それは入試の成功より、「あること」を優先させる「子供」だからですね。
では、「あること」とは何でしょう?それが宿題を「毒」にしている原因なのです。
宿題を「毒」にしてしまっている生徒の宿題ノートを見ると一つの特徴が見られます。それは簡単な問題(計算問題・公式を当てはめれば難なく解ける問題)はきちんと解いているのに、こちらが工夫して解いてもらいたいと願う応用問題(国語で言えば記述問題)には手をつけることもなく白紙のまま提出してしまいます。
主な理由は以下の三つですね。
一つ目は「時間がなかったから」。二つ目は「わからなかったから」。三つ目は「面倒くさくなったから」。皆様のお子さんも大抵これらを理由に途中でリタイアしていませんか?
だとすれば、上記のようにならない工夫が必要ですね。ところが工夫できない。なぜなら、宿題の量は塾側が決め、その提出を義務付けているからです。大手塾は組織で運営しているので生徒をルールに従わせなければなりません。ですから、生徒が個人的事情で宿題の量の増減を申請することは難しく、結果、否応なくそれをこなさなくてはならなくなるのです。
先程述べました宿題を「毒」にするもの。おわかりですね?
それは「宿題の量」そのものなのです。その「量」から逃げることを優先させた結果が「時間がない」「わからない」「面倒くさい」という言い逃れにつながるのです。しかし、これはお子さんが悪いのではありません。宿題の適量を見誤った塾側に問題があるのです。(四教科の講師が連携を取らず、それぞれが自分の考える適量をまるごと生徒に与えてしまっていることが多いから)
「塾通いしたために、かえって成績が落ちてしまった」。一見ありえないことですが、このような事例はたくさんあります。それは今まで純粋に自分のペースで楽しく学習していたのに、塾に通い始めてからそれが義務化され、「楽しいものから苦痛なもの」に変化し、その結果勉強が嫌いなってしまったという流れですね。
当塾で生徒が楽しめる環境を作り出すことと、宿題を必要最小限の量に留めることを重視しているのは「生徒に甘いから」でも「面倒見が悪いから」でもありません。「楽しく学習させ常に頭を躁状態に保たせることが効率の良い定着を生むから」「入試に不可欠な思考力を鍛えるために家庭でじっくり考える時間・創意工夫する時間を確保させたいから」です。(手前味噌ですが、今年に入り当塾で一人の退塾者も出していないのも、今年の入試実績を認めていただいたことに加え、こうした方針を当塾生並びに保護者様にご理解いただいているからだと思います)
次回もこれに関連したお話をいたします。
※次回のテーマは?
ヒントは、最近、国語・理科が苦手だという生徒が増えている理由!