模試の結果の受け止め方。
2022年7月22日
夏休みに入りました。そして朝から晩まで毎日のように塾で缶詰状態になり講習を受けるのですが、「長時間耐えて頑張ったこんな俺を褒めてあげたい」と、忍耐力だけは身についたようだが「肝心の学力の方はサッパリ・・」というケースになりがちなことはご承知なのでしょうか?事実、講習明けに成績が飛躍的に伸びました・・という子はほとんどいません。それはそうです。日頃塾に通っていても「塾でぼーっとしている自分」+「教え方がうまくない講師」=「成績が伸びない」の「最悪の組み合わせ・結果」を夏の講習で長時間再現しているに過ぎないからです。「自己満足しか残らない時間の無駄」とはこういうのを指すのではないでしょうか?本当は講習なんかに参加しなくても「自分の意志で計画的に自宅で学習する」が時間的にも経済的にも最も効率がいいのです。我が子もこのような「講習」の類には参加したことはありませんでしたが、自宅学習一本で中学受験、大学受験に臨み、結局どちらも第一志望校に合格できました。何事もそうですが、肝心なのは「何をしてもらったか?」「何を教わったか?」ではなく、「何をしたか?」「何を考え工夫したか?」です。中学受験は「自分の意志で能動的に行うものである」という大前提をもう一度思い出してみてください。
ですから私は「当塾おまかせ生」に対し「夏休みだからガンガン講習を取りましょう」とはお勧めしていません。それよりも「自宅学習を充実させてください」とアナウンスしています。
さて、夏休み明けの9月には大手塾では大規模な模試が開催されます。この模試の目的は「夏休み期間中にどれだけ成果が挙げられたか?を見る」だと思います。そしてお子さん・親御さんはこの模試で結果を残すべく、夏休みの「塾での缶詰学習」に精を出すのですが、ほとんどの子は「撃沈」します。そしてパニックになりこう考えるのです。「夏休みに成績を上げられなかったのはいま通っている塾のせいだ」→どこかに「まともな塾」はないかしら、で「青い鳥」を探すが如く塾探しで彷徨うことになるのです。いやーこれほど意味のない時間の費やし方はありません。だって、その塾で成績を伸ばしている子も一定数いるのですから(そういう子から見れば「素晴らしい塾」なのですから)。
このように模試の不本意な結果で大パニックになるくらい、日本人は失敗に対し過剰反応を起こします。成功した喜びより失敗した悔いをいつまでも引きずります。儲けたことより損したことを、褒められたことより貶されたことを、いつまでも覚えています。結果的に年中モヤモヤした気分で過ごすことが多い民族のように思います。
模試の結果の受け止め方として、偏差値が上がればバンザイバンザイ、下がればシュン、みたいに情緒不安定になるようではまだまだ未熟です。幼いお子さんがそうなるのは仕方ありませんが、大の大人(親)がそれでは困るのです。
次回は「模試の結果の受け止め方」について少し掘り下げて説明してまいります。