中学受験は個別指導で成績伸び率の差が出る！！

　続きです。

　入試に失敗すると今までお話ししてきたように「お金と時間を無駄にした」と後悔する方はいますが、次のような後悔をなさる方もいます。曰く「頑張ったのに努力したのにかわいそうな結果になった」「勉強ばかり強いてきた。かわいそうなことをした」と、お子さんに申し訳ないことをしてしまったと詫びるような後悔です。「こんなことになるのだったら好きなことをさせてあげればよかった」も同じ類ですね。しかし、それはどうなのでしょう？

　まず、「頑張ってきたのに」「努力してきたのに」は親目線の主観であり、悪く言えば「贔屓目」。別の第三者から見れば「それでやった気になってたの？大して何もしてなかったじゃん」というレベルだったかもしれません。また、親御さんのその発言には「受験に向け努力する頑張るは当たり前・大前提」ということを忘れてしまっている感があります。「我が子だけが頑張ってきた」わけではないのです。受験生なら皆、頑張っているのです。そして頑張ることは、自分が成功したいならそうするであろう当たり前の行為であり、別に褒めるようなことではないのです。その頑張りの質と量、そして努力の方向性と効率の優劣で入試では差がつくのです。「自称努力家」だけでは受からないのです。

　付け加えるなら受験を通じ「たとえフルに努力しても頑張っても夢が叶わないことは大いにある」を知る機会を得られた、そのシビアな現実を知ることができたのは貴重な体験です。そう言うと「だったら努力なんか無駄じゃん」と言う方もいますが、そうではありません。この努力はいずれ形を変えて成功を導いてくれるツールになります。「馬鹿らしいから努力しない」という人はそのツールを受け取ることはできません。そしてサボりにサボって成長しないまま何も得られず「一人前に歳だけはとったが人生最底辺」で終わってしまうこともあり得るのです。ですから受験に失敗したとしても、努力の過程で得られたものは意外と多い、しかしそれにまだ気づいていないだけ、と考えた方が建設的なのです。

　「勉強ばかりさせて申し訳なかった」も見当違いな後悔です。このようなことをおっしゃる親御さんは勉強を罰ゲームと考えてきたか、勉強を子を叱る口実にしてきたか、はたまたご自身も勉強をイヤイヤなさってきたかのどれかです。「勉強は難行苦行」と考えているご家庭から中学受験に成功するお子さんが出るのは本当に少ないです。医者や弁護士など「士業」を生業としてるご家庭は「勉強することは喜びであり、日常の当たり前の行為」と捉えてますから、やはりそう言う家庭環境で育った子は受験成功率が高いですね。

　「好きなことをさせてあげたかった」もおかしく、今時の子どもの好きなことはラインだったりゲームだったり「消費しても後に何も残らない生産性のないもの」が大半で、時間潰しの類でしかないものばかりです。これらに費やす時間は失って嘆くほど貴重なものでしょうか？受験勉強に取り組んでいなかった時間は「無為に過ごしていた時間」であった可能性の方が高いのです。

　そもそも中学受験は「経済的余力のある家庭の特権」です。ですからむしろ、受験できる環境で育ってきたことに感謝、勉強できる環境に生まれ出でたことに子どもは感謝すべきなのです。

　受験できることは特権、勉強できることも特権、なのにそのような環境にいることに感謝するどころか、「勉強は嫌いだ」と公言して憚らないお子さんがいるようでしたら、それは間違いなく「親御さんの子育ての失敗」に因るものです。これは「どーでもいいことに厳しく、肝心なことに甘い親御さんのいるご家庭」でよく見られる現象です。「うちの子は勉強が嫌いで困っている」とお悩みでしたら、それはどれだけ下手な子育てをしてきたかをアピールしているようなもの。そんな子に育ててしまった親御さんがその根本原因を反省し、ドラスチックに変える努力をすべきなのです。今のお子さんの姿は「今までの子育ての集大成そのもの」なのです。

　まとめますと、受験に落ちたお子さんに申し訳なく思う必要は親御さんにはないのです。

　中学受験の失敗＝人生の失敗ではなく、失敗から数多くのことが学べますので、要は「失敗から学べたことを見つけ出せたか否か、その見つけ出した学びを将来活用できるか否か」で人生は大いに変わっていきます。

　中学受験はそれが体験できるという意味でとても貴重なのです。受かっても良し、落ちてもまた良しなのです。

　だけど受かりたいですよね。

　だから、お子さん方は年少時にこの機会を得られたことを感謝し、中学受験成功に向け頑張っていきましょう。