受験の成功・失敗は自分の心が決めること。③
2022年3月04日
続きです。
前回申しましたように「受験に失敗→公立中通い」はそんなに悪い話ではないのです。
1 小学校時代の仲間との関係が継続される(これは大事かも)
2 学費がものすごく安い(私立に払っていたであろう学費を塾代に回せる)
3 受験勉強で培った学力を発揮すれば学年トップ近辺の成績をキープしやすくなる(自分に自信が持てる)
4 通いやすい(疲れないし、部活にも全力を注げる)
5 難関都立高校への進学が可能になる。(しかも費用が安い)
などなど。
さて、本日は「中学受験にかかる費用」のお話です。特に塾代ですね。全落ちするとこう考える方が多いです。「全てをドブに捨ててしまった」「そのドブに捨てたお金で海外旅行に行ったり車を買ったりできたかもしれない」など。
だけどそのようなお金を持っていても、実際には車を買ったり海外旅行に行ったりすることはなかったはずです。なぜなら中学受験を目指すお子さんをお持ちの親御さんなら塾代にお金をかけることを最優先し、それがベストの選択だと思っていたはずだからです。人間はその都度ベストを選択しようとしますから、仮に全落ちしたとしても、当時のベストを選択した上での失敗であるなら潔く諦めるしかない。決してその費用の掛け方を間違えた訳ではなかったのです。
そこで親御さんの心構えとして「これだけコストをかけたのだからそれ以上のパフォーマンスを上げなければ」「最低でも回収できるような結果を出さなければ」などと焦らないことをご提案します。「必死に頑張る」「ベストを尽くす」ことは大事です。ですが、行き過ぎて「悲壮感」が前面に出てしまうと、その悲壮感通りの結果になることが多いのが中学入試です。入試は「受かればいいな」くらいの軽いタッチで臨むのが理想なのです。
はっきり言いますと塾代は「捨て金」で賄うべきなのです。生活費を切り詰め捻出したお金を教育費に使ってしまうと、必ず取り返そうという悲壮感と焦りを生じさせ、周りの空気を悪くしお子さんにも悪影響を与えてしまうのです。そもそも余裕資金のないご家庭は中学受験をやるべきではないのです(受かったとしても入学後の6年間は高額な授業料を払い続けることになりますので)
私は塾経営者ですが、同時に「投資家」でもあります。毎日100万〜200万程度上下するような環境にいますが、そんなことをいちいち気にしていたら何もできないのです。だから「失っても痛くない捨て金」で投資をしています。それだと悲壮感もなく、平常心で思い切ったトレードができるのです。
ですから親御さんには「100万200万程度を失う話? どーってことはない」くらいの胆力をお持ちいただきたいのです。
親が子どもに費用(特に教育費)をかけるのは、親として、産んだ側の人間として「当たり前の義務」です。
「親の度量の大きさと教育費の大きさは比例する」と言われますが、そこをケチる親御さんに子育て資格がないのは確かです。
ですが、現実問題としてそれができるご家庭とそうでないご家庭があります。私は「捨て金」「余裕資金」で行うのが中学受験だと考えていますので、それができない方はあまり無理をなさらない(場合によっては受験をリタイアする・はじめから公立中進学を考える)ことをお勧めします。
次回に続きます。