受験の成功・失敗は自分の心が決めること。②
2022年2月26日
続きです。
お子さんが受験で失敗(特に全落ち)すると、子ども以上に傷つくのが親御さんです。中には半年以上落ち込まれる方もいますね。子どもはとっくに立ち直っているにもかかわらずです(笑)。
なぜ傷ついてしまうのでしょうか? でも、その理由一つ一つを冷静に分析すれば「そんなに落ち込むほどのことではない」と気づきます。なぜなら「落ちて公立中に行くことはデメリットばかりではない」からです。事実、私も公立中出身ですが、無事に平和に生きています(笑)。
かつて中学受験は資金に余裕のある方向けの催しでしたが、最近では猫も杓子も(失礼!)参加するイベントとなりました。我が子により良い教育環境を、と願う父兄はもともと多かったのですが、少子化の影響で我が子に教育資金を集中して注げる時代になりつつあるからです。その影響なのかますます受験が加熱しています。参加者が増えたので倍率も高くなり、問題も難化しています。つまり「メチャメチャ合格しにくくなっている」「どこかに受かれば大したもの」なのが今の中学受験なのです。
このような昨今の状況ですので、「入試は落ちて当然」という覚悟で臨んでいただきたいのです。「受かればラッキー」くらいの気楽さで受けていただきたいのです。なぜ「気楽」なのかと言えば「落ちても公立中学に進学できる」からです。「受験に成功しなければならない」というより「受験に成功すればいいな」くらいの軽いタッチで受けるのが最近のトレンドのような気がします。(やる以上は真剣でなければならないことは言うまでもありませんが)
なぜそう感じるかと言えば、かつては本命校ー実力相応校ー滑り止め校、と網を広げ、何校も受験する生徒がが多かったのですが、最近は「本命校ー実力相応校に受からなければ公立中学に進学し、高校受験でリベンジする」「通う気がない滑り止め校は最初から受けない」という「潔いご家庭」が増えているからです。「受験校は2〜3校にとどめる」という方も今年は本当に多かったです。「落ちたら公立でもいいじゃん、自分もそうだったし」と考えている親御さんも増えている。豊洲は地方出身の方が多く、多くの親御さんは公立中出身だから、その辺りの理解があるのだと思います。
そもそも地方では公立中進学が当たり前、「受験に失敗した子が行くのが公立中」みたいな考えは元々ないのです。東京にいるとついつい視野が狭くなりますが、むしろ首都圏の考えの方が日本全体見ればガラパゴス的なのです。そこにお気づきになった方が増えてきたから、その傾向が強まりつつあるのでは、、と思います。
当方も子どもが中学受験する際は2校しか受けさせませんでした。どちらも本命校です。当然リスクの大きい受験でしたが「落ちたら地元の公立でいいや」という気持ちがありました(なんとか共に合格しましたが)。なぜなら「費用が安いから」です。家計が助かる点でこれは大きい。それに進学するつもりのなかった滑り止め校に無理して通い、モヤモヤした気持ちのまま多額の授業料を不承不承払い、そこが偏差値の低めの学校なら将来向け塾にも通わなければならない、、だと本当につまらないと思ったからです。だったら、公立中に通わせ、私学に支払ったであろう多額の授業料を塾代に注入し、学力上げて高校受験でリベンジすればいい、とも考えていたからです。中学受験で相当な知識を叩き込んだ状態での公立中進学は、最初からそこでトップを目指せることを約束されたも同然なのです。そして自信を持って学生生活を送ることができる。また同質的な友だちばかりでなく、多種多様なクラスメイトとも付き合える。いろいろなタイプの人と付き合わなければならないのは社会に出れば当然ですが、その経験・訓練を前もって公立中で養える。しかも歩いて通えることが多く、小学校時代の友達との交友関係が続く。要は「中学受験は受かろうが受かるまいがどっちに転んでも結局はオイシイ」のです。
どうでしょう? 全落ちってそんなに悲劇的ですか?
考え方が柔軟な人は「マイナスの出来事は実はプラスの出来事が起こる予兆である」という発想ができます。こういう方は成功体験を築きやすいし、運を呼び込むことができるのです。
つまり良いも悪いも、全ての事象の結果は(他者がどうのこうのではなく)自分の心が決めてしまっているんですね。
だったら、全て「良いこと」として考えた方が人生楽しくないですか?という話なんです。
次回は「費用」についてお話しします。