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国語対策法を伝授

勉強する本当の目的。③

2021年11月26日

 続きです。

 受験勉強の真っ只中、お子さん方は「受験成功」のことで頭がいっぱいで、その目的のために勉強しています。親御さんも同様の理由で子に学習を強います。つまり勉強は「合格のための手段」なのです。こういう親子は気持ちに余裕がなく視野が狭いので勉強は「辛いこと」という認識でいっぱいいっぱいで、それをする楽しさにまでなかなか辿り着けません。
 一方、自主的に学習している子は「受験成功目的」の学習に加え、別の目的で学習しています。その別の目的が「できる子」の「学習意欲の原動力」となっているのです。
 
 「物事の本質を知ること」これが彼らの学習意欲の原動力であり目的なのです。余裕を持って勉強している子は学習を通じて「科目問わず勉強は物事の本質・道理を知るうえで役に立つんだな」と気づくのです。そして、それを知る面白さに目覚めた結果、ますます学習にのめり込んでいくのです。

 例えば「歴史」は暗記物だと思っている生徒は多いです。そして年号とか必死に覚えます。しかし、それを覚えることに何の意味があるのでしょうか? テレビのクイズ番組などではそういうことを言い当てられる人は「頭がいい」と評されますが、それは頭が良いのではなく、記憶力がいい、物知りだ、というだけの話です。本当に頭が良い人というのは物事の本質・根本原理がわかっていてそれを活用し自分および社会の利にすることができる人なのです。そういう「本当に頭のいい子」が欲しい難関校は暗記したことを吐き出すだけの社会の問題を作成することはありません。例えば「江戸幕府は何度も改革を行なってきましたが、それは財政に難が生じたからです。財政が危機に陥った理由を100字程度で答えなさい」「満州国の継続はもともと難があった理由を100字程度で述べなさい」など、現代にでも通じるような問題を解明させるような出題をしてきます。歴史を学ぶことは「温故知新」、過去の事例をヒントに、物事の因果関係を知ることで、それを現代をどう活かせるかを考えることを意味します。これが本来の社会の勉強なのです。これに気づいている子は歴史は体系的に覚えていくものだということを心得ています。だから定着度が高くなるのです。

 理科もそうです。例えば「料理」は(お母さんの愛情を込めた、みたいな情緒的な理由ではなく)「浸透圧の原理」など理科の根本原理に従い調理すれば美味しくできあがります。ですから「物理が好きなのに料理が下手」な人は表面的な理科の知識は豊富でもその本質を理解していないか、理解していたとしても活用できていないのかだと思います。また、「冷房はどのようにして部屋を冷やすのでしょうか?」という問題も上位校ではよく出題されます。これなども「液体の変化」「気圧の変化」「冷媒」など、理科のテキストで説明できます。つまり日常的に何気なくやっていること・使っている器具には「理科の理屈」が満載させているのです。「飛行機が飛ぶ」「車が動く」「ネットが使える」それらを「不思議だなー」で片付けることなく、本質を追求していく姿勢を持てる子がやはり理科の定着度が高くなります。

 国語もそうですね。物事を処理するには丁寧さと正確さが要求される、これが世の中で求められている、そして文章題を解くという作業はこの能力を鍛えるためにある、と考えれば「多少の雑は目をつぶって速読を」「行間を読む」「選択問題は自分の考えと一致したもの選ぶ」「記述は文学的表現を心がける」など「国語の本質」から逸脱するような行為・価値観はむしろ遠ざけなければならないことに気づきます。ですから国語の得点力の安定している子は「終始、丁寧に正確に扱う」ことへの集中力が高い傾向にあります。

 そして、算数。「算数は公式に当てはめてチャチャっと解くもの」と勘違いしている生徒が多いです。そして肝心の「公式の成り立ち」すらわかっていません。塾で教わった公式を無理解のまま言われるまま使っているだけなのです。例えば「半径✖️半径✖️3.14」で円の面積が求められるのですが「どうしてこの公式で円の面積が求められるの?」「そもそも3.14というのはどこから出てきた数字なの?」と問うても答えられないのです。また先日「自転車の速度は時速0.2キロです」と答えた生徒がいました。解法を見てみると「はじきの公式」で解いていました。わたしはこの公式が嫌いです。何も考えずただ当てはめるという作業をするだけで、物事の本質を見つめられない公式だからです(これは方程式も同じ、だから中学受験ではなるべく方程式は使わせないのです)。その生徒には「これだと1時間使って自転車で200メートルしか進めなかったという意味になるね。こんなこと常識的にありえる?」と質問しておきました。自分の出した答えに疑問を持たず、公式に当てはめれば全て解決すると勘違いしてしまった思考停止生徒さんの一例です。「時速50キロ」の「キロ」は速度の単位ではなく、距離の単位です。そこからして勘違いしている生徒が多いです。「時速50キロ」とは「1時間で50キロ先まで進める速度」と覚えるのが正しいのです。この理屈を念頭に置かないと思考の根底自体を違えてしまうのです。そして根底を違えたままで得た回答は100%近い確率で過ちになるのです。物事の成り立ちの根本を理解をするのが算数の目的だと思ってください。

 勉強が好きな子はこのように「物事は理屈で成り立っている」「いまはその理屈の一つ一つを学んでいる最中なのだ」という意識がありますので飽きずに楽しく学習できるのです。こういう「勉強の楽しさ」を幼児期からどのように伝えていくか? これは親御さんの子育ての力量次第ですね。

 続きは次回です。

 

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