我が子が勉強したがらない理由。②
2021年10月06日
続きです。
勉強したくない子、嫌いな子は、もし学習しないのであれば、その時間をいったい何に使っているでしょう?
ほとんどの方は「遊びに使うのでは?」と考えます。「勉強する」の対義語は「遊ぶ」だから、という発想でそうお答えになるのでしょう。
ですが正解は「ぼーっとしている」です。「寝そべる」「TVを見る」が代表例ですが、「ゲームをする」「漫画を読む」「ネットを検索する」なども「ぼーっとしている」に属します。「遊ぶ」とは積極的に動き回ることです。しかし今の子は昭和の子どもみたいに「外で体を動かして遊ぶ」をしている訳ではないのです。
勉強できない子はこういう省エネタイプの「遊び」を好み傾向があります。それを見ると勉強しない子できない子は「頭が悪いから」ではなく、「体力がないから」ではないか?と感じてしまいます。勉強でいい結果を残す子は定期的運動をしている事例は多いです。一見、そういうことに時間を費やしている子は勉強する時間がなく、体力も消耗するので不利なのでは?と思ってしまいますが、こういう子は
1 体力がある
2 集中力がある
3 多少の強要・強制にはへこたれない
4 叱咤に慣れている
5 向上心がある
など、受験勉強に必要な要素をこのような活動を通じて自然に身につけているので、勉強時間が多少減ったとしても、持ち前の体力と集中力で補うことが可能なのです。企業が運動部に所属していた大学生を優先的に採用したがるのはそういう理由があるからです。
勉強したがらない理由は体力がないから。これが1点目。
2点目は「自分を大事にしていないから」です。学歴社会は世界共通です、そのような価値観を世界が共有しているのであれば、そして自分を優位な立場に置きたければ「勉強する」は当たり前なのです。なのに、それをしないということは本気で自分の人生を考えていない=自分自身をないがしろにしている=自分を大事にしていない、ということなのです。
自分を大事にできない子、そうなる原因を作ったのは間違いなく親です。どういう親がそうかと申しますと、俗に言う「毒親」ですね。毒親とは
1 自分の価値観を子に押し付け、自分の部下・自分の理想の具現者として子を見ている親。
2 矯正中心の子育て。「ダメ」「早く」など子どもの行動をいちいち批判し、干渉する親。
ですが、これに
3 逆に甘やかしすぎて肝心なこと、特に人生哲学を子に伝える努力を怠っている親。
も加えます。
1、2のような親を持つと、子はリラックスできず、また、学校・塾で疲弊した心も癒すことができず、同時に体力不足にもなり→集中力不足→ぼーっとしたい→勉強しなくなる→学力低下に繋がっていくのです。
そして年中否定されているので、どうせ僕は〜と投げやりになる→自己評価の低い子になる→自分を大事にできない→その時その時を刹那的に生きようとする→長期的視野で自分の人生を考えられなくなる→勉強しなくなる→学力低下に繋がっていくのです。
そうなっていくのは当たり前の理屈なのです。思い当たる節のある親御さんはもう少し子育ての勉強をしてください。
さて、「生まれつき金持ち」「生まれつき貧乏」。金持ちになるにはどちらが有利か?このことについてある経営者が語ってくれました。答えは「どちらも有利」だそうです。自分のおかれた環境をどう捉えるか、その解釈次第で有利不利が決まるそうです。
金持ちに生まれた
A 幸運な人生だ。 どうせ今後も安泰だと思うから、何も考えず過ごそう。
B 幸運な人生だ。しかしこの生活がいつまでも続くとは限らない。だから頑張ろう。
貧乏に生まれた
A 不幸な人生だ、どうせ今後もダメだと思うから、何も考えず過ごそう。
B 不幸な人生だ。しかしこの生活がいつまでも続くとは限らない。だから頑張ろう。
どちらの場合でもBを選択すればうまくいく、という話なのです。
つまり、自分の人生を大切に考え自分の可能性を信じられる子は、どんな環境であっても行動できる。これを「多動力に優れている」と呼びますが、これは体力と自己肯定感がなければできない。そして勉強もこの「多動力」の一部なのです。
先ほど「人生哲学を親が子に伝える」ことの重要性をお話しをしましたが、事あるごとにこういう話をする機会を家庭内で設けることをお勧めします。お小言に費やす時間があるなら、人生の先輩として親御さんはお子さんに「伝えておくべき大事なお話」をなさることを習慣化してください。