結局、個別指導が一番効率良く効果的。②
2021年9月12日
続きです。
長年この仕事をやっていますと、中学受験成功への青写真みたいなものがすっと頭に浮かんできます。そして、その設計図の通りに実行すれば大抵上手くいきます。当塾の私立中学受験合格率はずっと100%をキープしていますが、これは「成功のシナリオ」通りの実行にブレがないからだと思います。
具体的に申し上げれば、「中学受験は4年生から準備する。5年からでも構わない。必修単元を一通りマスターすることを目的に大手塾に通う一方で、そこで生じた苦手分野を克服するために週1回ペースでの個別指導を併用させ、極力不得意分野を減らすことに努める。そして、5年末までに一通り単元を終させた後は、6年生から個別指導一本に絞り、受験までの1年間で徹底的に四教科の苦手克服→苦手科目の得意科目化→得点源の増加および失点源の減少に努めていく」というシナリオです。そしてその後は(早ければ夏休み過ぎから)過去問に特化した指導です。この計画通りに仕上げていけば、ほとんどの生徒さんは成績が上がりますし受かります。うちの子も中学受験、大学受験を行い、ともに第一志望校合格をいただきましたが、それほど無理もせず目標達成ができたのは、このシナリオ通りに行動したからだと思います。
一方で、小学校1年生から先取り学習に精を出す方もいます、が、早ければ早いほどいいというほど中学受験の世界は甘くも単純でもありません。このようなことをなさるのは、人間というものがわかっていない証拠でもあります。
自分が何者かもわからない自我に欠けた年少者に果たして中学受験の意義、ひいては学習する意義を理解する力があるでしょうか? という話なのです。例えるなら豆腐のように柔らかい存在が年少者の実体、しかもまだ豆乳段階なのです。ここから人格を固めていく作業過程で必要なのは遊びの時間であったり、ぼーっとする時間であったり、親がたっぷり愛情を注ぐ時間だったり、勉強以外の様々な体験なのです。これらの過程を通じ、人間を形成してから、初めて学習に取り掛かるべきなのです。そこを省き、まだフワフワの状態の時に「先んずればことを制す」とばかり、焦れば焦るほど、お尻を叩けば叩くほど、親御さんの描く理想と希望とは遠ざかった結果を生んでしまうのです。現に低学年から中学受験の準備を始めた子は疲れ切ってしまっていることが多々あります。勉強が楽しいどころの話ではないくらい疲弊しています。既に伸びきってしまっているのです。これでは伸び代も何もありません。たかが中学受験ごときに小学校生活の6年をまるまる使うのは非効率的であり、時間とお金の無駄使いに繋がるのです。(低学年の授業料にお金を使うくらいなら住宅ローンの繰上げ返済にそれを使った方がよほどマシ)。結局、誰も得しないし誰も楽しくないのです。人生において楽しくないことをするのは、せっかく生を与えてくれた神の意思に背く行為とお思いください。
中学受験は持続力以上に瞬発力勝負です。2年なら2年(個人的には2年がベストと考えます)と期限を決め、「集中・効率」重視でやるものなのです。長年ダラダラ勉強していることが努力の証、という価値観ではうまくいきません。
その「集中・効率」が最大の効果を生むのですが、その実現を可能にしやすくするのが個別指導。これこそが個別指導の真骨頂なのです。
次回はそのお話をしてまいります。