中学受験は個別指導で成績伸び率の差が出る！！

　続きです。

　人生は一度きりです。一度きりだからこそ満たされたものでありたいと願うのは人情です。だから人は衣食住に不自由しない生活レベルに落ち着くことなく、それ以上の生活満足を求めようとします。お金の確保はそのための必要条件であり、その結果、人の一生は老若男女問わずお金を得ることに執着し振り回されることになります。ですが、それ自体がストレスになる方もいるので、お金に執心することが果たして良いことなのか悪いことなのかは軽々に結論づけられませんが、少なくとも中学受験を目指すご家庭は「野心家」が多いので、お金を得る、という行為に対し肯定的な意見をお持ちの方は多いのではないかと思います。

　中学受験の動機、ひいては大学受験の動機は、日本においては「国に尽くしたい」「教授職に就きたい」「科学者になりたい」のように「頭そのものを生かした職種に就きたい」を目指したものではなく、「卒業後は一流上場企業へ、そして、安定収入へ」の道の確保を目指したものではないでしょうか？大学進学も「学びたい研究したい」というより「難関大学に入学後に楽して卒業証書を得たい」が本音であり、それを目標にしている大学生、それを容認し、ご希望されている親御さんも多いと思います。

　私はこの流れは否定しませんが、「お勤めする」の安定性は、ややもすると「安定ゆえのリスク」にも繋がり兼ねません。どういうことかと申しますと「どんなに頑張っても、その金銭的恩恵は社長賞・ボーナスなど、ごくごく一部にしか反映されない」つまり「努力の割りには報われない」ことが多いのに、「安定第一」で物事を考えると、なかなかそこから抜け出そうという発想にならず、知らん間にジリ貧リスクを抱えたままの生き方を強いられてしまうことになるということです。会社は不景気になったり、経済的困難に陥ったりすると守りに入ります。内部留保に精を出し、社員への還元を渋ります。ですが、日本人は忍耐強く、相当な不利益を被っても「じっと我慢の子」ですので、会社も「それでいいんだ」ということでこの流れを自ら刷新することはありません。要は「茹でガエル」になっても、成長著しい他国と比べて賃金上昇率が（インフレ率との相関関係で）マイナスにブレても、日本が何とか国体を維持できるのは「日本人の忍耐強さ」のおかげなのかもしれません。コロナ禍で世界中でジャブジャブお金が刷られているのに、デフレ生活から抜け出せない日本。これをおかしいと思った人は、（私も含め）とっくの昔にこの流れから出ています。「ハイリスクが安定を生み、ローリスクが不安定を生む」というパラドックス。今まででは考えられなかった価値観が、特にコロナ以降芽生えようとしています。

　ですが、日頃から諸々考え、頭を使い、勉強していればこういう「時代の変化」に敏感になり、行動も迅速になるのです。ですからそういう人は「ジャブジャブお金が溢れている世界情勢なのに、投資のリスクを恐れてタンス預金する」みたいな発想には（少し勉強すれば）ならないのです。タンス預金はジリ貧の源、と考えないと、世界のトレンドについていけなくなります。

　命の次に大事なお金、その確保のために勉強するのだ、とお考えください。「小学生には関係ないや」ではありません。

算数は物事を数値化して考える訓練、数字を使ったデーターに基づき未来予測する訓練。
理科は物事を感情ではなく、理屈・仕組みで考える習慣をつけるための訓練。
社会は公民で社会の仕組みを知り、歴史で物事の因果関係を知り、地理で地政学を知るための訓練。
国語は論理的思考力と物事を正確に処理する訓練。

中学受験成功に向け必死に取り組んでいるこれら四教科。　これらは全て「お金を得るための最低限知っておかなければいけない知恵・思考法」でもあるのです。小学生の頃から無意識のうちにこの訓練をしているのです。「中学受験を目指す子は恵まれている」というのはそういうことなのです。

　知（智）は益に直結しなければ意味がないのです。

　将来は勤め人ではなく独立して自力で生きて行きたい。青天井で稼ぎたい、のでしたら、小学生である皆さんは、「中学受験の名を借りた自立のための勉強」を、今していることに気づきましょう。

　勉強は「いやいや仕方なくやる」ものでも、「合格さえすれば勉強しなくていい」という近視眼的なものでもなく、「自分らしく満足できる人生を歩むための必須アイテム」だということに気づきましょう。

　血と肉になる勉強であるなら、自分からやるものなのです。それに気づいている生徒も想像以上に多いのです。

　自分の人生は自分次第です。