子の受験運を削る親の特徴。
2021年6月05日
ここ最近のブログ記事は親御さんの話を絡めたものが多くなっています。各教科で点数を取るための、もしくは成績を伸ばすためのテクニック話を中心に記載することはやぶさかではないのですが、それは授業料をお支払いいただきている方に向け授業内で話すべきことであり、外部の方も閲覧できるこのブログでは「一般的に言えること」を話題の中心におかざるを得ません。そうなると入試における「教科対策」と同等か、それ以上に大事な「親御さん 心得」の記事が必然的に多くなってしまいます。
「この親だったからこの生徒は入試に成功した」逆に「この親だったからこの生徒は入試に失敗した」というように、お子さんの運命を決定づけるのは親御さんです。それはプラスにもマイナスにも作用するのです。生まれ落ちてから10年以上の付き合いとなる親子関係。子に与える親の影響力は多大ですので、それはもちろん入試にも影響します。ようは「親の在り方の重要性」が問われるのです。そこを無視するわけにはいかないのです。ですから今回もその話題となります。
さて、入試成功で大事なのは何でしょう?もちろん学力ですね。それと意欲。しかし、それらと同じくらい大事なのは「運」です。運は怖いですよ。実力以上の結果をもたらせてくれることもあれば、実力を削り尽くしてしまうこともあるからです。「努力で勝負」ということでがむしゃらに頑張る。これはこれで大事です。しかし、だからと言って「運」をオカルトだからと軽視する人はその「がむしゃらに積み上げてきた努力による成果」を得られないまま終わってしまうことが多いのです。徒労を重ねないためにも、少しその話をしておきます。
歴史に名を残す人は「その時代のナンバーワン」だったから成功し生き残った訳ではありません。英才が綺羅星の如くいる中で、その人はそこに与しない「名無し」であったかもしれません。それでもそうなれたのは「自分の運命を信じている」からに他なりません。たとえ苦難が連続しても「苦難は成功の糧」「自分を信じる」これを継続できた人には不思議と運がついてきます。例えば「豊臣秀吉」がその好例ではないでしょうか?
翻って今の受験生の親御さんはどうでしょう?成績が伸びないとアタフタ、転塾してもそこでもうまくいかないとアタフタ、子・塾・講師に当たりまくり。その親御さんのアタフタでお子さんの成績が伸びるならナンボでもやっていただきたいのです。しかし、そうはなりませんよね。ならないのに繰り返すのは時間の無駄であり、徒労でしかないのです。それでも続けるなら「教育熱心な親アピール」のため?自己満足のため?と勘ぐりたくなるのです。
私が「この親御さんの元では子どもの成績は伸びないだろうな、もしくは落ちるだろうな」と感じさせるような一例を申し上げますと「やたらと相談してくる親御さん」です。「先生どうすればいいですか?」「伸ばすコツは?」など相談頻度の高い親御さんです。「相談が多いのは教育熱心な証だからいいではないか」と、一見そう思えるのですが、こういう親御さんはこちらがアドバイスしても「そうは言っても先生・・」「しかし先生・・」みたいに「否定形から始まる再質問」をしてくるのです。再アドバイスが延々と続くだけでなく、結局こちらの案を否定するのです(遺伝なのか素直さに欠ける親の子もやはり素直さに欠けるという特徴がある)。こうなると「あー、本当は本気で解決策を求めていたわけではないのだな」と少し脱力してしまいます(笑)。
医者が「癌だから手術しましょう」と言っているのに「そうは言っても先生・・」「薬ではダメなんですか?」と否定したり素人提案したりする患者がいるでしょうか? それと同じこと。餅は餅屋に任せるが世の中のセオリーなのです。
これは「教育熱心な親」の話ではありません。「運から見放される親」の話なのです。成績が伸びない子の行く末を信じていない、塾・講師など外部環境を信じていない、その前に「何でも疑ってしまう自分」なので、自分のことすら信じていない。つまり質問する目的を「純粋に解決策を求めたいから」ではなく「不安解消のはけ口にしたいから」にしてしまっている。何もかも信じていない人=いつでも最悪の結果しか想像できない人に対し、善悪がわからない「素直な運」は、「この人はいつも同じことを想像してるな、ということはそうなることを望んでいるのだな」と判断し、「気を利かせて」想像通りのことを(成績が伸びない→落ちる)実現させてしまうのです。
子を信用せず疑えばその通りの子になります。親の心配・不信を子は吸収してしまうからです。「親が吐き出したマイナスを子が吸い取ると、その吐き出したものの通りに子は育っていく」は本当です。前者と逆に子に対して「信じる・褒める・認める」を繰り返し、それを「吐き出す親」の下で育った子はだいたい成功します。私も何十人という親御さんと付き合いがありますが、何十年もこの仕事をしていると親御さんの様子を見るだけで瞬時に生徒の将来がわかるようになります。そもそも「親が子どもを信じない」のは「自分とって子が不利益・不都合な存在になってしまうのが嫌だから」、そしてそれに伴う過干渉は「そうなる前にあれこれ矯正しておきたいから」という「親のエゴ」がそうさせるのです。ですが、こういう自己中心的な親であること自体が運から見放される根拠になると思った方がいいです。子と親は別人格。一心同体・運命共同体ではない。そこがわかっていない親御さんが多すぎますね。
「運」を軽視し、「運」に無頓着な人は「運」からしっぺ返しされます。
変わるべきなのは子どもではなく、まずは親なのです。親が変われば必然的に子は変わるのです。
次回に続きます。