勝ち方を知らなければ受からない。②
2021年3月09日
※ 平日の早い時間帯での授業は満席となりました。遅い時間帯もそろそろとなりますのでご了承ください。
続きです。
中学受験を成功に導くのは能力・学習量なのかもしれません。しかし、最も大切な要素は「意志」。どうしても成功させたいという強固な意志を最後まで継続できたかどうかで決まります。事実それができたお子さんが受かっています。
ある登山家が「エベレスト登頂を成功させた人間全てに共通しているのは、制するという気持ちを最後まで捨てなかったことだ」と話していましたが、「奇跡的な合格」(これは今年も見られました)を勝ち得た生徒さんはこの意志の強さ=最後まで勝負を捨てない心の強さ、を持ち合わせていたように思います。
受験の動機はなんでもいいのです。「将来のため」「自分のため」または「親のため」「我が子のため」「親自身のため」。しかし、動機はちょっとしたことでブレます。ブレたが最後そのまま諦め・挫折に繋がっていきます。「サッカー選手になりたい」と夢見る男子は多いのですが、そのほとんどが挫折します。ちょっとでも辛くなると「自分にはフィジカルな能力がない」「ライバルの能力が自分より格段に優っている」と、逃げる理由・言い訳を山のように築き「これじゃ無理だよ」と自分の諦めを正当化することに精を出し次の夢を探します、が、また同じことを繰り返しますから、結局最終的にたどり着く「夢」は「誰にでもできるようなもの」なってしまうのです。
では、強固な意志を保ちつつ諦めずに成功を導く生徒とはどのような子なのでしょう?
それは自分を信じている子、自己有能感に満ちた子と言い換えてもいいかもしれません。自分を有能だと思っていますから上記の挫折などにいちいち悩みません。挫折=成功者の辿る当然の道、くらいしか思っていません。「自分はできる人」と思っていますから全てを「成功の糧」と認識しているのです。こういう子は「勝つ」ことを前提として受験に臨みますので「諦める」「落ち込む」「苛立つ」というマイナス心理に陥ることがあまりないのです。ですから「最後まで勝負を諦めない子」になることが可能なのです。
ですがこういう子はあまり多くはありません。なぜなら幼少期にそれ(自己有能感)を身につけさせようとする親があまりに少ないからです。
「できないお子さん」を持つ親御さんには共通点があります。それは「無駄に厳しい」という点です。
会話からして否定語が多すぎます。「〜しなさい」「早く〜して」「ダメ」「〜しないで」など。一見子どもの為の言葉ですが、その根は全て「親の都合」です。要は親の都合に応えられない子の愚鈍さに苛立っているのです。
しかしこんな言葉のシャワーを浴びせられている子は溜まったものではありません。四六時中上司に監視されている平社員の如く辛いものがあります。こんなシャワーを毎日浴びせお子さんを否定・洗脳しているのに、入試のときだけ「自分に自信を持て」とか、そういう矛盾したことを平気で言っている時点で子育てが下手、だと自覚されたほうがいいと思います。
子どもは親の都合どおり動くロボットではありません。
また、子育ては感情任せではなく、計画的に行うものなのです。
お子さんを信じていないから否定語を使うのです。そして親がそれを使えば使うほど「親から信じてもらえないお子さん」は「自分に自信がなく人の目ばかり気にする子」になってしまうのです。当たり前の話ですが自分に自信のない子が強固な意志など持てるはずもなく、決局受験に成功することもないのです。
中学受験は親で決まる、とは言い古された言葉ですが、その真意をよくお考えいただければ自ずとどうすれば良いかが見えてきます。