受験を終えて。
2021年2月12日
今年に限った話ではありませんが、指導の最中に「なんとなく成功しそうな予感のする生徒」と「なんとなく失敗しそうな予感のする生徒」というのが(長年の経験と勘で)わかります。と同時に、接してみて「なんとなく成功を招きそうな親御さん」と「なんとなく失敗を招きそうな親御さん」というのもわかります。どういうことかと言いますと「入試を自分事として認識し自ら学習に励む子→お子さんに干渉する必要のない親御さん」の組み合わせが成功し、「入試を他人事として認識し促されないと動かない子→やきもきして過干渉になる親御さん」の組み合わせが失敗するということです。毎年のことですが、本当にそうなります。子供が勉強しないことに年中イライラしているご家庭は成功を導けません。
「頭のいい子が受かる」というより、前述のように「入試を自分事として考えられる子」が受かります。自分事ですから、そういうお子さんは(途中で紆余曲折はあっても)挫けず真面目で素直な努力家として日常を過ごします。今年の入試でも「奇跡のような合格」を勝ち取ったのはこういうタイプの生徒さんでした。これも毎年のことですね。一方、如何に頭が良くても「やらされ感」のある生徒は肝心な時に勝てません。
「入試を自分事として捉えられない子」は成功しませんが、そもそもなぜ入試を自分事として考えられないのか?その成功を阻害する「癌」みたいなものを取り去らない限り、どんなに「自称努力」「自称頑張っている」を積み重ねても「カケル ゼロ」。そこに意味がないのです。
入試の成功が自分の将来を優位に導いてくれるもの、と考えるなら、その成功はプラチナチケットを手に入れるのようなものであり、何が何でも手に入れたいと考えるのではないかと思うのですが、そうならないのは下記の理由からです。
1 ハングリー精神がない。中学受験をするくらいなのでご家庭の経済力は水準以上である。その恵まれた環境で過ごすのが当たり前、永遠にこの生活が続くと勘違いするなら向上心は芽生えないであろうから。
2 中学受験の意味を理解していない。幼い小学生に将来の見通しを立てろ、と言ったとしても心底理解できないはず。理解できないことに子どもは興味を示さない。故に勉強は強制されてやるもの、という認識でしかない。それよりも目先の遊びとゲームに心が奪われてしまうから。
3 自分に自信がない。何もやっても叱られ注意される。自己肯定感が希薄な子は承認要求や野心に乏しく日々刹那的に過ごす傾向にある。自分に自信のない子は受験成功で一花咲かせようという意欲もないから。
このような1〜3に該当する(受験不適用の)子も(親の要望で?)受験します。さて、このように現状維持に満足し中学受験する意味もわからず自分に自信のない子が成功する予感はあるでしょうか? ないですよね。結果もその通りになります。
1〜3が元凶です。しかしそれを生み出しているのは他ならぬ親御さんであり、お子さん本人のせいではないのです。
「受験力=家庭力」ということです。これも毎年申し上げています。
ではどうすればいいのか? それは次回ご説明します。