中学受験では国語も算数も「文系科目」です。
2019年10月24日
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続きです。
中学受験に関わる方の多くは「国語社会は文系科目」「算数理科は理系科目」と考えがちですが、本当は「すべての科目は文系科目」とお考え頂いた方がいいかもしれません。
私の考える「純粋な理系分野」とは「発明」「発見」のように、「0から1を作り出す」とか「未知だったものを探り当て可視化させる」など「答えがわかっていないものを見出したり作り出したりしていくのに必要な思考を要する分野」です。一方、中学受験の算数理科は始めから答えが用意されています。国語社会もそう。つまり、どの科目にも重要なことは「答えに行き着く」ことで、その答えに行き着くためには「逆算して思考する」「筋道を立てて考える」という「論理的思考」が求められるのです。ですから、すべての科目が同じ思考法で解けるという点で考えると、中学受験の四教科全ては「論理的思考重視の文系科目」と言えなくはないのです。ちなみに「理系」とは「思考の論理性」に「ヒラメキ」などその他が付随され昇華されたものをだと思います。しかし、中学受験はそこまで求めていませんから「論理的思考重視」を究極まで高めていく方向性でいいと思います。
私がこのように言えるのは四教科全てを指導しているからです。おそらく国語専門の職人・算数の指導一辺倒だったら気づかなかったと思います。そして指導していてわかったのは「どの科目も結局思考の仕方は同じ」ということです。ですから「算数のできる子は国語ができない」「理科の苦手な子は社会が得意」などというのは都市伝説みたいなもので、結論を言えば「算数のできる子は国語も理科も社会もできる」ということなのです。「どの科目も思考方法は同じだ」と、それに気づいた生徒は成績を上げやすい、しかし「うちの子は理系だから算数はできても国語が・・」という「何の根拠もない色眼鏡」でお子さんを見ているうちは伸ばせる才能も伸びない。その辺りを早々にお気づきいただきたいと思います。
さて、論理的思考には「演繹法」と「帰納法」がありますが、私はどちらが重要、ではなく、一つの事象に対しては「どちらも用いて思考し精度を上げる」」ことをお勧めします。ですが小学生にこういう話をしても混乱しますので、授業ではそれとなくわかりやすい事例を挙げて説明しています。
小学生向けには「物事はすべて理屈で成り立っている」と言い換えて上記を説明しています。例えば「じゃんけんで五連敗した。ありえない。俺は運が悪い。」と嘆く人は「五連敗などするはずはない」という勝手な線引き・先入観があるから「そんなことはありえない」と考えるのです。そして何か邪気に取り付かれているのでは・・と思い、神社での神頼み・お祓いをするのです。しかし勝ち負けは50%50%の確率です。つまり2分の1の一方が5回続くことは日常的に珍しいことではなく、また、神頼みをしても「訪れた参拝客分の1」の確率しか当てにできないので、「自分の願いだけは叶えてもらえる」というのは「自分に都合のいい妄想」でしかなく、確率的にもあり得ないのです。ですから生徒さんには「理屈で考えておかしいことには手を出さない」と戒め、各科目そういう思考で臨む、を徹底するよう指導しています。この世に「運」「不運」などないのです。「どの確率の中に自分がハマってしまったかその連続の長短」だけの話なのです。
閑話休題。国語の話をしますが「国語の問題・解答は文章をもとにして作られている」という理屈を考えてみましょう。この理屈がわかってないと選択問題を選ぶ際に「自分の心に湧いてきた想像」を根拠にして、それと一致する選択肢を選んでしまいます。選択問題は「あなたの考えと同じものを選びなさい」ではないのです。「問題作成者が文章をもとに問題と解答を作った」のであれば、その理屈で考えれば選択問題で正答を得るには「文章の内容のみを頼りに考える」→「だとしたら文章の中身を正確に把握する」→「そのためには集中して丁寧な読み取りをする」が必要だというのが必然的にわかるはずなのです。
反対に「主観的見地」「想像力」「自己流の行間の読み取り術」は国語力向上の妨げでしかありませんので、極力排除してください。国語のテストではそのような力の有無・程度を問うているわけではないのです。「正確に事を処理する」「理で物事を考える」これができるかどうかと問うているのです。これは科目問わずですね。
国語は「そういうベクトルでの学習をする気があるのかないのか?やるのかやらないのか?」で成績が決まります。
事実、素直にそうする生徒は「国語偏差値45→65」を数ヶ月で簡単に達成してしまうのです。
その思考での学習は算数でも同様に使えます。
次回はその他科目についての「論理的に考える」「理屈重視で考える」につきましては次回お話しいたします。