入試総括 合否のカギを握っていたのはやはり国語だったのかもしれません。
2019年2月16日
※ 今年こそは「自身の働き方改革」を実現するつもりでしたが、去年同様、今期もお休みがなかなかいただけない状況となりました(苦笑)。
入試も終わり既に新学期は始まっています。気持ちを新たに前に向かって進んいる途上ですが、同時に入試の総括もしておかなければなりません。
2019年度の入試もお蔭様で無事終了いたしました(詳細は前記の通りです)。そして、その結果を踏まえて今期の対策・方針を考えていかなければいけません。
今年の入試で気づいた点は(当塾の生徒について申し上げれば)
1 生徒間で理社の差がほとんどつかなかった。皆が知っている問題は皆知っており、逆に皆が苦手にしている分野は同様に皆が苦手にしていたので、模試などでも思いの外、この二教科で点差はつかなかった。ゆえに入試においても同じであったと推測される。事実、栄東入試の結果も当塾生の理社の成績はほとんど団子状態だった。栄東入試は算数国語の出来不出来で決着がついた(毎年のことですが当塾生に限らず栄東入試は算数国語のどちらか、もしくは両方で決まります)。
2 算数も計算問題・一行問題は(ミスをしない限り)できる子とできない子の間で点差は開かなかった。「算数のできる子は難関校の難問でもスラスラ解けるに違いない」というのは思い込みで、実際には算数が得意だと称している子でも、それを苦手にしている生徒と同じように難問の多くを解くことはできなかった。ただし、「応用問題以上難問未満」については(模試でも)手堅く得点化していたので、もし得点差が生じたのであれば、おそらくこの類の問題の点の取り方に差があったからでは、と想像できる。そういう点で、算数のできる子はやはり入試では有利なのかもしれない。
さて、問題は国語です。国語のできる子はどんな問題を解かせても一定以上の得点を必ず取る、つまり「安定した高止まり」を常に実現しています。
逆に国語のできない子はたまにいい点を取れても、通常は「安定した低空飛行」ですので、模試においてもできる生徒とできない生徒の得点差は最大で100点ほど(例えば30点と130点くらい)開くこともあります。そしてこの差は本当に埋まらない、埋まらないまま入試本番となり、算理社で得点差がつかないとすれば、入試の合否の差は実質「国語の得点差」だった、ということになります。これは毎年言えること。しかし、そのような事実があるのに「ひたすら算数重視」「算数に時間をかけましょう」を唱える塾がほとんどなのです。
算理社と国語の違いは、前者が「努力・意欲」「時間のかけ方」に比例して成績が向上していくのに対し、後者は「努力したからといって時間をかけたからといって」必ずしも向上するとは限らない(と思われている)という点です。算理社で差がつかないのは「努力している生徒はみんな同じように時間をかけ努力している」からなのです。もちろん努力しない子・学習意欲のない子はそこに加わることなく、始めから番外地、つまり競争の外にいることは言うまでもありません。
算数信仰塾は国語も算数も入試では同じ高配点、だから両者共に最重要科目だということはわかっているはずなのに、「入試は算数で決まる」を言い過ぎ、それにこだわり過ぎています。そして「国語は日本語だからそのうち何とかなる」みたいな根拠のない楽観論と国語軽視でお茶を濁すのです。算数ばかりに力を入れ「国語の本質の研究」を怠り、ないがしろにしてきた塾は実績を残しにくい傾向にあります。中学入試は「算数優位でさえあれば合格する」と言うような甘いものではないのです。
当塾は四教科対応塾ですが、元々「国語の指導」で認知・評価いただいてきた塾ですので「入試ではもちろん算数重視だが、国語も大事、いやもしかしたら算数以上に国語が合否のカギを握っているかもしれない」というスタンスで指導してまいりました。で、事実「入試は国語で決まる」ことが多いです。
論より証拠、今回も結果を残した生徒さんは不思議と「全員が全員国語が安定していた生徒」「永田から国語の指導を受け、尚且つそれを活用できた生徒」でした。これは毎年のことではあります。
「算数人並み、理社も人並み、だけど国語は高値安定」のタイプの生徒は、この「高値安定」の分のアドバンテージがものすごく有効で、これで受かってしまうのです。だからとてもとても「算数ばかり頑張りましょう」とは言えないのが当塾の姿勢なのです。
確かに国語は時間をかけても努力しても成果は出にくい、と言われます。しかし、それは中学入試の国語に精通していない人が「生兵法」で指導するからそうなるのです。
私から言わせれば(本当は)国語ほど「伸ばしやすいオイシイ科目」はないのです。
しかし、その「伸ばすノウハウ」を知っている人はあまりいません。誰にでもできるというものではありません。素人が自己流で解いたり指導したりすると、却って成績が悪化するのが国語なのです。だから私は国語の(文章題の)宿題はお出しません。必ず授業内で完結させるようにしています。(国語については)素人さんの手出し口出しほど怖いものはないからです。だからこそ(四教科の中で特に)国語は「プロによるマンツーマンの指導」が一番有効なのです。
「国語の伸ばし方」に興味がありましたらお問い合わせください。少々ですがヒントをお出しします。
ただし、「自身の働き方改革」を目指す私としてはこれ以上忙しくなりますと(平日はほぼ満席)、体力面精神面で色々歪みも出てきますので、その点をご理解いただけると幸いです。
次回に続きます。