中学受験は個別指導で成績伸び率の差が出る！！

※　前回お話しました「第３回合判テストの総評」は、全生徒の詳細なデーターを入手した後に行う予定です。

　さて、「特に能力が劣っているとは思えない」「特に学習時間が足りないとも思わない」、なのに「成績が伸びない」。これって、よくある悩みですよね。

　そして、「もしかしたら親の遺伝？」「講師の指導力不足？」「学校で悩み事がある？」など、その他要因を多岐に亘って考えてしまいます。

「学習能力が劣るのは遺伝に原因である」ということについてはまだ科学的に実証されていません。また、同じ講師から指導を受けているにもかかわらず、かたや成績を伸ばしている生徒もいます。学習時間もだいたい３時間強ぐらいが受験生の平均で、学校の悩みについても程度の差はあるとはいえ小学生なら皆抱えています。確かにこれらが複合的に関わり合い、負の要因を作り出していることがあるにせよ、成績が伸びない理由の決定的要因とまではいきません。

　当塾には６年生から受験勉強を始めたという「つわもの」がいますが、成績の伸び率という点でいえば他の生徒以上の成果をあげています。一方、そうでない生徒もいます（あなたたちですＡ君・Ｂさん！）　

　実は成績が伸びていない生徒の多くには「未だに志望校が定まっていない」という共通点があります。仮に決まっていたとしてもそれが「実力から相当かけ離れた志望校」だったり「本人はさておいて親が行かせたい学校」だったりするわけです。

　親が行かせたいだけで本人がそうでもない場合、子供はその合格に向け本気になって頑張れるでしょうか？失敗することが明らかな受験のための学習を本気になってするでしょうか？年齢を問わず人間は利に聡いですから、自分の利益になりづらいことには食指を動かしません。まして精神年齢の低い小学生は思考が浅いので「自分の将来像」を意識して学習するより、「目先の楽しみ」を優先してしまうことが多いのは当然といえば当然なのです。ただ、自分は受験生だといううしろめたさがありますから表立った「派手な遊び」はできず「目先の楽しみ」を小出し小出しに実行する（例えば家庭学習時間中「リラックスタイム」と称してそこで遊んでしまう）。それが実質的学習量を減らしたり、集中力の欠如を生み出したりする要因となるのです（その結果どうなるかは自明の理ですが・・）。

　先程登場した「つわものさん」は自分には残された猶予期間が１年もないことを理解しており、自分の行きたい目標校も明確に定まっているから計画的な学習が実行でき頑張れるのです。一方、目標が明確でないお子さんは「受験する動機」が自分でもわかっていませんから「心がカラッポ」。これでは教わったことが定着できるはずがありませんね。結果的に成績が伸びないのは当然です。

　つまり「伸びない生徒の決定的理由」は「学習の動機付けがないから」ということになります。

　ところで、成績が伸びない生徒に業を煮やし「誰のために受験するの？」ときくと異口同音に「自分のため」と答えます。たわむれに「え？親のためじゃないの？」ときくと「そんなこといえば親に叱られる」と怯えます（笑）。

　目標が明確でない生徒の本音が「今すぐ遊びたい」であるはずなのに、「自分のために学習している」とは矛盾(嘘）もいいところです。

　また、「この不安な世の中で子供が将来に亘って少しでも優位な立場で生きられるようにしてあげたい」という親の願いは「我が子の人生のことでこれ以上気を揉みたくない、自分が安心したい」という本音と表裏一体のはずです。なのに、「受験はあなたのため、親のためではないでしょう？」と子に説くのは矛盾しています。

　双方本音を言わず自家撞着に陥ってしまっているから辛いのです。

　エーカッコせず、親は「自分のためにも頑張ってほしい」と言っちゃえばいいのです。

　親を安心させたい（野口英世など昔に偉人の中にはこれをきっかけに学習に励んだケースが多い）、大好きな親のために一肌脱ぎたい、それを動機にして頑張る優しい生徒もいます。

　私が親ならこう言います。

　「あんた、自分のためだけなんてケチくさいこと言わんと、おかあちゃんのためにも頑張ってよ。学費出してるんはこっちや、おかあちゃんにも主張する権利はあるはずやで。とにかくあんたの将来のことが心配で心臓バコバコなんよ、ほやさかい、きちんと受かっておかあちゃんを安心させてくれへん？、親孝行は今しかできへんで」と。（なぜか関西弁）

　実際これがきっかけで目覚めた生徒もいました。（ねっ？Ｃ君）

　次回に続きます。