「あきらめない」という人間力。
2010年10月20日
第2回の合判テストが終わりました。皆さん今回のテーマは「前回の失敗の克服」でしたね。「同じミスは繰り返さなかった、そこでしっかり点数が取れたよ」というのであればそれでOK。ですが、今回のテストで新たなる「克服すべき弱点」が見つかった生徒は次回それをカバーしていきましょう。しばらくはその繰り返しですね。
模擬テストを受ける目的とはそういうものです。もちろん結果を出すことが第一優先ですが、現時点は自分の弱点を明らかにし、本番までにそれを克服するための「準備期間」だとお考えください。聡明な方はそれを理解していますので、テストの出来不出来にいちいち一喜一憂せず、結果を冷静に受けとめることができます。
ですが、それを理解せず、入試100日前のこの時期からパニックになってしまっている生徒・ご父兄がいるようでしたらそれはいかがなものでしょうか?結果が出なくて落ち込むことは幼子にでもできます。そのレベルでは厳しい受験を前にしてすでに落伍者同然です。残りの期間で建て直しを図ろうという前向きな発想ができないようでは受験資格はありません。
テストに「1回目が悪かったから2回目は少しは良くなっているだろう」という「お約束」はありません。自分の期待が裏切られたからといって失望感に囚われている暇があれば「一からやり直し」です。まだ、一教科に25日も費やせます。本気で取り組めば十分間に合います。今日から実行ですね。
さて、こんな実話があります。
かつてイギリスのある貴族がアメリカのゴールドラッシュに目を付け、単身現地に赴きそこで雇った労働者と共に一攫千金を夢見て、採掘にとりかかりました。しかし、一向に金脈に至りません。半年過ぎ、1年過ぎても何の手ごたえもありません。だんだん焦りが生じ同時に「もう採り尽くされたのか?」「自分の予測に誤りがあったのか?」と不安・疑心暗鬼に囚われ始めました。そして、ついに彼はあきらめ、採掘権をただ同然でその労働者に与えアメリカから去っていきました。
・・・その後、労働者がスコップを一入れしたところ何と金脈にぶつかったのです。10センチ下には途方も無い量の金が眠っていたのです!!
入試も同じ。2月1日まではあきらめないこと。1月31日に学習したことが翌日に出題されることだってあるのです。また、「うちの子は力がない」「いくらやってもダメな子だ」とお子さんに対し疑心暗鬼になったり、あきらめたりしているご父兄は「子供を信じようとしない親」という時点ですでに「受験生の親失格」です。お母さん、我が子が誕生したときの喜びは如何でしたか?「この子を守っていこう」と決意しませんでしたか?そのときの愛情をお子さんがいかなる状況に陥ったときでも変わることなく注ぐことができるというのが親というものではないでしょうか?お子さんはそういう親についていくものなのです。未熟な親がすぐうろたえパニックになる・子供への不信、それが子に伝染し悪循環を招く。逆に相互の確固たる信頼関係が好循環を生む。「中学入試は親の人間力で決まる」というのはそういう意味なのです。
本日のテーマは「あきらめない」という人間力ですね。人間は弱いものですから、壁にぶち当たると回避しようとします。しかし、それは誰にでもできること。誰にもできるレベルで合格というプラチナチケットを手にしようとするのは少々虫のいい話ではないでしょうか?
かつて血尿が出るくらい激しく学習した生徒がいました。きっかけは生まれて初めて国語の偏差値で40台を取ってしまったから。しかももう12月。彼の良さは失望せず、それをバネにしたこと。そして、「四科のまとめ」を5日で終わらせるという集中力を発揮し、見事「駒場東邦中」という難関校に合格しました。まさにあきらめない「人間力」の勝利でした。
彼のお母さんもよくできた方で後日「彼が偏差値43取ったとき、お母さんどうでした?」ときいたところ、「いやあ、思わず「いいもの見せてくれてありがとう」と言ってしまいましたわ」」とケタケタ笑いながら答えてくださいました。
不安を抱えてもそれをおくびにも出さない賢明な親、それを察して努力する子。いい親子でした。
さあ、今日から第3回合判に向けての猛勉強スタートです。「神は細部に宿る」といいます。丁寧にコツコツ頑張る皆さんには「受験の神様」も微笑んでくれるでしょう。しかし、決してあきらめないこと。あきらめの早いご家庭には神は寄り付きもしませんよ。
次回に続きます。
※「一度授業を受けてみたいが時間がなくて」というご相談が多いことを受けまして今回初の試みとして来月11月3日、23日(共に祝日)に、外部生の方も対象とした「一日だけの国語の授業」を行います。これをきっかけに「国語ってこうやって解くんだ!」と光明を見出してくだされば幸いです。
詳細につきましてはお問い合わせください。(授業は先着順となります)