共感することの大切さ。
2010年10月06日
前回の「中学入試まで残り4ヶ月」から1週間が経過しました。あっという間ですね。少し油断すると、月日は逃げるように去っていきます。それを手元にグッと引き寄せ有効に活用してください。毎年の常として入試直前になると「もっと早い段階で頑張っておけば良かった」と後悔する人が数多く出ます。そうならないためにも今から2月1日を見据えた取り組みをしてください。
さて、10日後には再び合判テスト(第2回)がやってきますね。2回目の受験は点数云々というより、前回のミスをどれだけ克服できたかが重要です。それを目標に置いてください。当塾生にもお伝えしましたが予行練習段階での失敗は悪くないのです。エジソンだって数え切れないくらい失敗しているのですから。大切なのは「嘆かないこと・あきらめないこと」、次に「失敗を向上の糧として捉えることが出来るか」「失敗を克服するための勇気・努力を惜しまないか」、そして「最後には結果を出せ、2月に笑っている自分がそこにいるかどうか」ということです。
ですが、中には力があるのに本番で「大コケ」する子がいます。理由は「試験会場の広さ、集まってくる生徒たちの熱気に圧倒された」その結果「頭が真っ白になり、何が何やらわからないまま試験が終了してしまったから」です。半分の力も出せないまま終わる。こんなもったいない話はありませんよね。
パニックに陥る生徒に共通するのは「自分に自信がなく、どこかに劣等感を抱えた生徒である」という点です。自信の無さを払拭するためには、(当たり前ですが)他の生徒より学習の分野で圧倒的優位に立てばいいだけの話です。そのポジションを得るためには学習量で勝負するしかありません。「迷ったら、落ち込んだら先ずは学習・空いている時間があればとにかく学習」です。そして、「勉強量では他の誰にも負けていないはず、そんな自分が他人と比較したり、緊張したりするのはチャンチャラおかしな話だ。だから自分を信じて普段通りにやろう」というレベルにまでもっていきましょう。しかし、努力を棚上げし何もせずにただ緊張しているだけの生徒には同情いたしません。そのような生徒は受験資質がないということなのです。
(前回も申し上げましたが)生徒が緊張してしまう他の理由に「親のリアクション」があります。極端な例では試験1週間前から食事が喉を通らないと訴える生徒もいるくらいです。そういう生徒のご父兄は大抵が「ガミガミタイプ」です。失敗を糧にするという発想もなく、ただ結果だけを見てガミガミいうご父兄。こんな環境下では生徒は試験を受ける前からブルーになってしまい、また、不安が心の半分を占めてしまった状態で受けるため、いくら受験回数を増やしても自信が持てず向上しないという悪循環から逃れられなくなってしまいます。親の接し方によってはお子さんの能力を奪い取ってしまうこともありますので、こういうご家庭はコミュニケーションの取り方をもう少しお勉強された方がいいかもしれません、受験生を持つ親として。大学受験とは違い中学受験合否の鍵の半分は親御さんが握っていることをご理解ください。
その点、御三家レベルの学校に子供を入学させることのできるご父兄は違います。もちろんお子さんの資質もいいのですが、それ以上に親御さん自身が聡明です。「あっ、このお母さんだったら大丈夫だな」とこちらがピピッと感じる方を毎年お見受けしますが、そういう方のお子さんは入試に成功します。長年この仕事おりますと親御さんを拝見しただけでお子さんの将来におけるだいたいのことは察知できるようになります。
ご両親の学歴が高いとかそういう問題ではありません。「人間の出来が違う」という意味です。
その一例として今回のテーマである「共感能力」を挙げたいと思いましたが、残念ながら本日はここまで。次回にそのお話をさせていただきます。