国語の勉強法。④
2018年8月13日
続きです。
「遅読を勧める」と言っても、実際、試験中にどのくらい時間をかけて読めばいいのでしょうか?限度がありますよね。
一般的な国語の入試問題は大問2題で50分です。つまり大問1題の持ち時間は25分。そこに抜出3題、記述2題、選択7題(これが平均)があるとするなら、抜出は(当塾の2分ルールに従い)2分×2題で5分程度、記述は1題5分で×2題=10分、選択は30秒×7題=4分弱、そこに22分費やすことになります。そして、残りは3分しかない、え?3分で文章を読まなければいけないの?だったら「速読」になってしまうではないか?とお考えになるかもしれません。
文章を一読してから解く、だとそうなるかもしれません。しかし、当塾ではそのような読み方は推奨していません。「読みながら解く」のです。つまり「解き終わるのと同時に読み終わるようにする」「読み終わりと解き終わりが同時になるようにする」そのような指導をしています。これですと読む時間は実質15分くらい得られますので「遅読」が実現できるのです。(端的に言えばそうなのですが、具体的なノウハウについては秘伝の策ということで授業時にお伝えしています)
本当は最後まで一読してから解くのがセオリーですし、それが正当なやり方だとは思います。しかし理想通りにいかないのが入試の国語です。無駄なく時間を最大限に有効活用するにはこの方法しかありません。「出会った問題から解く」が(実践的には)正しい解き方なのです。(これも具体的にどうするかは授業時にお伝えしています)
「一読してから解く」の欠点は、読み進めていく間に前半に書かれた内容を忘れてしまうことです。焦って一度読んだところを再度読み返すと「二重読み」してしまうことになり、この時間はロスタイムでしかなくなります。これこそ無駄というものです。ですので、「読み時間と解く時間を極力等しくしていく」工夫が大事なのです。国語のできる生徒はそのように「工夫しながら」解いていきます。(全教科そうですが、他人に教わる前に自分から工夫する作業をすることは大事です)
また、読みの工夫について一部お話しすると、当塾では「手と目と心の音読」の3点セットを用いた「読み方」を勧めています。「手」というのは、手(ペン)を一行一行に沿わせ動かしながら読んでいくという意味です。これは飛ばし読みを防ぐためです。「心の音読」とは、心が発した音声を自分の耳で聞き取ることにより、文章を立体的に映像化させ、よりリアルに内容を理解するためです。ぼーっと何気なく文章を読むのではなく、計画的に丁寧に正確に内容を掴むべく(全身を使い、脳に刺激を与えつつ)読むことの効果を実感していただきたいのです。
このように読みの工夫、また、選択・抜出・記述など個々の問題につきましてもそれぞれ「解き方」がある(それは授業時にお教えします)のですが、それに従うことで国語の成績はびっくりするほど上がります。こんなに楽して簡単に上がっていいのかしら?と罪悪感さえ持ってしまいます(笑)。残念ながらこれ以上のノウハウはこの紙面では語れませんが、これらを全て身につけたとき、国語は「苦手科目」から「点の取れる科目」「得意科目」へと変身します。算数と同じく入試での配点が高い国語で安定して高得点が取れるようになると、自分を取り巻く環境は一変し、見える景色が違ってきます。ただし、当塾の「国語の正しい接し方」を素直に取り入れ実行することが諸々の実利を得られる最低条件とはなりますが。
そんな劇的な変化を実感してみませんか?(今年は満席ですので、そのような変化をご希望の方は来期お待ちしています)
次回に続きます。