原点回帰の効用。④
2010年9月07日
9月に入りそろそろ一週間が経とうとしています。一日一日が過ぎていくたびに入試が近づいていることを実感するのはこの時期からです。そしてそれを受け、本気度がアップしていくのもこの時期からです。この先、大抵の受験生はご父兄が何も言わなくても自主的に取り組むようになるのですが、皆様のお子さんはいかがでしょうか?
さて、うれしいお知らせです。前回ご紹介したAさんですが、先月末に行われた某大手塾主催のテストで見事偏差値63を獲得しました。初の60台ですね。おめでとう!今までは45~55近辺をウロチョロしていましたがもう安心ですね。
Aさんに特別な才能があるわけではありません。肝心な資質は「素直であること」。講師の指示に素直に従い行動に移せる生徒が伸びていきます。逆に「毎日塾に通っているのに成績が伸びない」のはいつまでも自己流でやろうとするから。これは病院に毎日通っていて、病を熟知したプロのお医者さんから適切なアドバイスや薬を受けたり、与えられたりしているに、それを無視し怪しげな民間療法に頼って病気を治そうとするようなもの。なのに「毎日病院に通っているのに治らない。あの医者は藪医者だ」と文句を言う患者がいればそれはどう考えても理不尽で非常識な話ですよね。それともう一つ、そもそも患者本人が本気で病気を治す気がない、もしくは、病気を甘く見ている場合も治癒が大幅に遅れる原因となります。
成績が伸びないお子さんはもう一度自分の胸に手を当て考えてみましょう。「講師の指示に素直に従ってきたかどうか?」「どうしても志望校に入りたいという熱意があるかどうか?」(親御さんもお子さんに確認してみてください、同床異夢ではいけません)
ですが、こういう話はそろそろ終わりにしたいですね。もう何度も繰り返し言ってきましたから。それでも気付かない方はもう「ジ・エンド」ということで宜しいでしょうか?(笑)
もう少し建設的な話をしましょう。今回の章は「原点回帰の効用」でしたね。
どんな複雑に見える問題でも結局は「基礎の組み合わせ」に過ぎません。では、国語の場合は?
1.「文章を正確に読めたか?」
2.「文章の内容を正確に把握できたか?」
3.「設問を正確に読めたか?」
4.「設問できかれたことに正確に答えられたか?」
すべて当たり前のことばかりですね。拍子抜けしたでしょう。ですがこの「当たり前」のことがきちんとできている生徒はごく僅かです。それだけ基礎が軽視されているということなのでしょう。
「この4点すべてが確実にできる生徒かどうか判断したい」これが出題の意図です。それに対し生徒は「すべてできているよ」とアピールすれはいいだけのこと。極めて単純な話なんです。ですから、テクニック云々ではなく、終始一貫上記のことを意識しながら「読み書き」できたかどうかが重要なのです。
つまり、「読み書きの正確さ」。この基礎の組み合わせが国語のすべてなのです。
「粘りのない子」「集中力のない子」「大雑把な子」が国語の成績を伸ばせない理由もお分かりですね。それが原因で上記のことが丹念に且つ丁寧にできないからです。男の子に国語の苦手な生徒が多いのは、まだ幼く雑な部分を残しているからです。(まっ、何人かの女の子にも散見できますがね(笑))
つまり、「読書量が少ない、語彙が少ない」ことが国語のできない根本要因ではないのです。「子供の性質が悪い」からできないのです。改善すべきはそこでしょう。それさえ改善されれば状況は一変します。
成績を上げるには前述の1~4を確実に行えばいいのですが、そんなに単純な話ではありません。それぞれを確実に体得するには国語ならではの策が必要だからです。そしてそれを教えるのが私の役目なのです。
残念ながらこの策までは一般公開できません。(当塾生の不利益になりますので)
ですが、一つだけアドバイスさせていただきます。国語に限らず「なぜ、このような問題を出すのだろう?」「何が求められているのだろう?」と出題者の狙いを考えながら解くことをこころがけてください。その中にこそ問題を解く鍵があるのです。