生徒には成績が伸びる瞬間があります。③
2018年4月26日
※既報通りGW授業・今年のレギュラー授業は全て満席です(現在は来期のご予約の受付のみ承っています)。
続きです。
「小学1年の頃から塾に通わせている」「勉強量は誰にも負けない」はずなのに成績が伸びない、このような事例は多いですね。英語教育もそうです。幼稚園の頃から英語教室に通っているのに簡単な英会話すらできない。そんな子も多く見かけます。それを見るにつけ、本当に時間と費用を浪費しているなと思います。
なぜ、そうなってしまうのか?理由は簡単で、1年生が6年後の中学受験をイメージすることは無理、幼稚園児が「将来が海外で暮らす・海外駐在員になる」というイメージを持つことは無理だからです。つまり、中学受験・英語教育がなぜ必要なのか?当の本人がイメージできないからです。人間、イメージできないことにはモチベーションを高めることも、それを保つこともできません。だから成績が上がらないのは当然のことなのです。モチベーションが無いところに、どんなに大量に情報を詰め込んだとしても、成績が上がる・英会話能力が高まる、ことにはならないのです。そんなコンピューターにデーターをインプットするかの如く、生身の人間に同じようなことをしても無理なのです。人間はそんなに単純なものではないのです。
年少児のお子さんに必要なのは「遊ぶこと・一人で考える時間を与えること」です。私は親御さんはお子さんをほったらかしにしているくらいが丁度いいと思うのです。最近の親御さんの行動を拝見すると(どういう教育指南書の影響かわかりませんが)子どもに構い過ぎ・気を遣い過ぎ・反応し過ぎです。子どもに振り回され作り笑顔で対応している親御さんを見ると本当に気の毒になります。お父さん・お母さん、お子さんに対しては自分に正直な反応を示すだけでいいのですよ。訳の分からないことを言っている子の言動など「何言ってるかわからない。聞くのめんどくさい。はい、却下」でいいのです(笑)。そういう子はその後「きちんとした文脈の会話」「多種多様な言葉を駆使した会話」を心がけるようになるでしょう。そういう「大人同士の丁々発止」を経て、子どもは家庭内で国語力を高めていくのです。国語のできないお子さんは家でこういう経験が少ない。親が子どもに合わせるのではなく、子どもを親に合わせるように仕向けることが大事なのです。だから「お子様向けカレー」など作るのではなく、子供のうちから大人と同じ辛さのカレーを食べさせるべきなのです(笑)。
さて、「生徒には成績が伸びる瞬間がある」というタイトルですが、この瞬間とは前述のようにモチベーションが芽生えたときです。きっかけ・動機はお子さんそれぞれですが、「○○中学に受かりたい」と、自然な形でその気持ちが芽生えたとき、その時からが「本当の中学受験に向けた学習の始まり」になるのです。過去の生徒・受験に成功した生徒を見ても、偏差値を30から60へ上げ第一志望校に受かるという奇跡を起した生徒を見ても、皆さん共通してそこから本格的な学習を始めています。
「自然な形でモチベーションが高まる」それがいつになるかわからない、だから、親御さんは不安になり早期学習に手を出すのだと思います。しかし、それはお子さんの可能性を信じていない証拠でもあるのです。
受験成功のカギを握るのは「持続力」より、むしろ「瞬発力」です。偏差値を30から60に伸ばした生徒も本格的に受験勉強を始めたのは6年生になってからです。
動機は人それぞれですが、どうしても受かりたい気持ちが高まったとき、その気持ちがブレなくなったとき、子どもはとんでもない「学習意欲」と「奇跡」を起します。
問題なのは親・講師がそれをどこまで信じて待てるか、です。成功したお子さんを持つ親御さんの中で「カリカリタイプ」「心配性タイプ」の方はいません。実の子のこととは言え、どこか冷めた眼で受験を客観視できる親御さん・おおらかタイプの親御さんがお子さんを成功に導きます。簡単に言えば「子どもにとって重荷にならない楽なお父さん・お母さん」が一番いいのです。
過干渉の無い中で、子どもは自分でいろいろ考えて、いろいろなことを醸し出し、「よし、これで行こう」と自分で決めたとき、ここからが速いのです。
この速さ=瞬発力=集中力が、「何でこんなに長々と勉強を続けなくてはいけないんだ」と不平不満の「学習期間だけは長い子」をいとも簡単に追い抜いていくのです。
中学受験は5年生からの2年間、もっと言えば1年間くらいの「短期集中学習」で何とかなるのです。
ですから1~4年の間はとにかくよく遊ぶ・一人で過ごす時間を作ることを重視し、受験生当事者としての意識が芽生える5年くらいから本格的な受験勉強開始でいいのです。
たかが中学受験に小学生時代の全てを賭けるのは本当に時間効率が悪いと思います。
残業してダラダラ会社で過ごす「自称 頑張っているカッコイイ俺」の評価が下がってる昨今、お子様にも同じようなことをさせてはならないのです。時間効率の悪さは「頑張り」でも「美徳」でもないのです。
そう思いませんか?
次回に続きます。