原点回帰の効用。③
2010年9月01日
9月に入りました。夏期講習も終わり、入試まで残り150日です。つまり、1教科の学習時間は37日、1ヶ月で1科目を制覇する形となります。それを考えれば「もう150日しかない」ということですね。当塾生には新たに「家庭学習計画表」をお渡しします。それを参考にし、効率良く学習をすすめてください。
さて、前回は成績の伸びない原因として「単なる勉強不足」と「ノウハウを活用していない」という二つの要素を挙げました。「先天的能力」など関係ありません。一見楽しながら上位の成績を保っている生徒も、実は皆さんの知らないところで相当頑張っていますからね。ただ、効率の良い学習をしているから楽しているように見えるのかもしれません。(皆さん「単なる勉強不足」の方はそろそろ死語にしてもらっていいですか?)
その効率の良い学習法が上記の「ノウハウを活用すること」。前回の例で言えば「エレベーターに乗ること」。エレベータの効率の良さに気付きそれを利用しつつ、階段を使うという非効率な行動から脱却した生徒が成績を伸ばすのです。
当塾生の中にもこの夏休みに国語の成績を飛躍的に伸ばした生徒(Aさん)がいます。ただ、彼女も以前は「自己流の固まり」のような生徒だったんですよ。そのため成績も低迷していたのですが、やっとエレベータに乗ってくれました(笑)。
授業中、隣でその生徒の様子を見ていると、「あれ?解き方変えた?」。そして気が付けば文章の読み方、問題との接し方など、一つ一つすべてが私の解き方と同じ手順になっている!。しまった、「秘伝のノウハウ」がパクられてしまった!。あっ、失礼。見事にマスターしてくださいました(笑)。いくつか過去問(立教新座・世田谷学園など)を解いてみましたが、8割以上は確実に取れる水準にまでもっていけるようになりました。どうですAさん?、解き方さえわかれば国語ってびっくりするくらい簡単でしょ。
Aさんの向上のきっかけは自己流の限界に気付いたから。そしてあっさりそれを捨て、効率のよいノウハウに切り替えたから。問題はその切り替えを躊躇することなくスムーズに行えるか否かですね。早急に「役に立たない過去」と決別することが大切です。
しかし、この時期になっても同じ注意を受けている生徒がいます。具体的に言えば「文章の要点部分に線をつけなくていいの?」「記述のとき、枠を作らなくてもいいの?」という指摘を毎回受けている生徒(外部の方にはピンときませんね)。そして、当塾の「講師コメント」の欄に「毎度同じミスを繰り返しています」と書かれている生徒。ねえ、ちょっと聞きたいんだけど、今まで君たちに失敗をもたらせてきた「役に立たない過去」を後生大事に引きずって何の得があるのかな?
こういう生徒は伸びません。自己改革ができていないんですね。合格水準に到達するためには自己改革が不可欠だと十分理解しているはずなのに、実行しようとしない生徒は終わりです。もしかしたらエレベーターどころか階段すら利用していないのかもしれません。そんなに自分を変えることがめんどくさいんですかね?厳しい言い方をすればこのように自分を変える気持ちのない怠惰な生徒、本気度の低い生徒にまで責任を持つつもりはありませんし、持ちたくもありません。真剣に自己改革を行う気力のある生徒だけを救っていこうかなと思います(特に男の子はひ弱な甘えん坊が多いです。その点、女の子の方がはるかにたくましい。男子は奮起しましょう)。
とは言っても、たとえこのような生徒たちであったとしても必ず合格させなければならないのが講師の責務。叱咤激励しつつ150日間で軌道の乗せてまいります。そのためにも生徒の皆さんの協力が必要です。(何でこちらから協力を求めなきゃいけないんだ!自分のための受験だろ!と、思いつつ・・・)。
当塾で教えている「国語のノウハウ」は決して難解なものではありません。むしろシンプルです。他教科もそうですが、どんな複雑なものでも元をたどればそれは「基礎の組み合わせ」に過ぎないのです。
それを実行せずして、成績を語ることなかれ。
その基礎部分から徹底的に考えていくのが「国語のノウハウ」です。つまり、原点回帰ですね。次回はその一部に触れ、この章を締めくくりたいと思います。