原点回帰の効用。②
2010年8月26日
夏期講習も残り5日です。早いところではもう学校が始まっていますね。この夏を振り返ってみて如何でしたか?計画通りに進みましたか?そうでなかった人は31日までにしっかり帳尻を合わせておいてください。
さて、前回は「集団塾では成果が出にくい」というお話をいたしました。ですが、これに対して特別な驚きを感じないはずですよね。なぜなら、ご父兄方も「それはとっくに経験済み」だからです。ご自身の小学校時代の教室での過ごし方はどうでしたか?授業中はよそ見もせず、最初から最後まで真剣に聞いていましたか?出された宿題は嬉々としてこなしていましたか?決してそうではなかったはずです。それはご自分のお子さんも同じこと。「我が子だけは特別」ということはないのです。
厳しい現実をお話しますと、集団講義では講師の目の届かないところで半数近い生徒が平気で気を抜いています。ただ、そういう生徒は大人しく座っているだけなので「サボっている」とは判明しにくく、塾側はその態度だけで「真面目に授業に参加している」とミスジャッジしてしまいます。ですから、その生徒の成績が伸びないとき、父兄には「頑張って授業に参加しているんですがねえ」と謝ったコメントをしてしまうのです。ただ、生徒には悪意はないんですね。集中力が続かないから無意識にそうなってしまうのでしょう。そうさせないのが、講師の力量なんですが・・。
授業に参加していても、ボーッと過ごしているようでは成績が伸びないのは当たり前。前回も申しましたが、伸びない理由はなんてことはない生徒自身がサボっているだけ。極めて単純な話なんです。本当に終始授業に集中し、参加しているのは全体の3割弱。しかし、この中で結果を残せるのは1割程度。では、頑張っていたはずなのに成果を上げられなかった2割の生徒にはどのような問題があったのでしょうか?
当塾生にも話した「たとえ」をご紹介します。
A君の家はマンションの30階部分にあります。毎日学校に通うため、頑張って階段を駆け降りますがA君の足ではどんなに急いでも10分以上かかってしまいいつも遅刻です。帰りは上りになりますからもっと大変、玄関前でいつもヘトヘトです。見かねた近所のおじさんが「A君、エレベーターを利用したらどうだい?その方が早く着くし、楽だよ」と教えてくれました。「わかりました」と答えたA君は次の日も階段を利用していました。そして「僕はヘトヘトになるまで頑張っているのに、どうしていつも遅刻するんだろう」とわが身を嘆きましとさ。チャンチャン。
これが「真面目なのに、成績が伸びない2割の生徒」のお話でした。トップページでも記していますが、塾は勉強しに来るところではありません。ノウハウを教わりに来るところです、そして勉強はそれを基にして家でタップリ時間をかけ行うものです。塾に通う回数を自慢している場合ではありませんよ(笑)。
ノウハウとは経験豊富な講師が考える「成績を上げるために最も効率が良い方法の集大成」です。つまり、「これさえ頭に入っていれば大丈夫だ」と太鼓判を押せるものを日々生徒にお伝えしているのです。事実、このノウハウを使っているから講師たちも中学入試の難問がスラスラ解けるのです。その思考回路を教えてあげると言っているのですから使わない手はないでしょう。授業料もそのためのものですから。
しかし、先程のA君と同じように、せっかくノウハウを教えてもらっても、それを使わず旧態依然とした自己流で通してしまう頑迷さ・自己改革を渋る怠惰な性格が「頑張っているのに伸びない2割の生徒」を作り出してしまうのです。これは塾通いの意味がわかっていない証拠でもあるのです。そして、本当は頑張ってなどいなかったことにもなるのです。
講師は「あの子はいい子だから特別なノウハウを教えてあげよう。あの子はそうではないから教えない」なんてことはやりません(当たり前ですが)。全員に同じノウハウを平等に教えます(これも口に出すのも恥ずかしいくらい当たり前のことですが)。
にもかかわらず、伸びる生徒と伸びない生徒が出てしまう理由。もうお分かりですね。
伸びないのは「単なる勉強不足」プラス「ノウハウを活用していない」からです。これだと、成績悪くて入試に失敗したとしても自業自得ですから同情の余地はありませんね。
ですが、まだ間に合います。今まで不本意な成績しか取れなかった生徒はこの2点さえ改めればいいのです。そんなに難しいことではありませんよね。今日からでも意識改革をしてください。
次回に続きます。