原点回帰の効用。
2010年8月20日
夏休みも残り10日です。当塾生の皆さんには9月の最初の週に「総復習テスト」を受けていただきます。試験範囲は言うまでもなく5年~6年1学期の単元ですね。このテストは次回の四谷合判テストに向けての「予行練習」も兼ねていますので、31日までは結果が出せるような過ごし方を心がけてください。出せない生徒には大変なことが待ち受けています。お楽しみに。(笑)
さて、最近当塾への学習相談・問い合わせが増加していますが、その度に「もう夏休みも終わりに近づいているんだな」と実感します。なぜなら、皆さんのご相談内容が異口同音に「大手塾での講習もそろそろ終了するが、一向に子供の成績が上がったという気配がない。このままで大丈夫でしょうか?」という主旨のものだからです。つまり、夏期講習に出席したのに何の成果も得られなかったということですね。「夏を返して!」とでも言いたくなるところでしょうか?
当塾のブログを継続的にご覧いただいている方はご存知だと思いますが、私は何度か「大手塾の夏期講習では成果が出ない」と申し上げてまいりました。大手塾の講師が無能だからではありません。無能どころか生徒の成績を上げようと日々頑張っていらっしゃる方々です。問題はそこではなく、成果が出ないシステムになっていること。「集団授業で宿題たっぷりの夏期講習」。あれ?これって学校と変わらないじゃん?少し厳し目の学校ってこと?つまり、夏休みに学校に行く代わりに、多少拘束時間の長い塾に行っていた。実態はそれだけのことなのです。
夏期講習に参加して効果を上げるのは、自分が何のために参加しているかという当事者意識をしっかり持っている生徒、もしくは受験の本質を捉えていらっしゃる親御さんの影響を受けて育った生徒に限られます。しかし、夏期講習参加者の大半はそうではなく、「ブランド塾だから大丈夫」と根拠なき安心感から受講させる親御さん、そして、その影響を受け、「講習に参加すること自体が大切なんだ」と、受講する意義をほとんどわかっていないまま通塾する面々で構成されているのが現状です。そして、その中に学校でも成積が思わしくない生徒がいた場合、ほぼ同じシステムの集団塾に通ったとしても効果が出ないのは当たり前です。しかも、効果が出なかったのに、「猛暑の中、頑張って通った」という自己満足で「やった気」になっている分、かえって厄介なのです。
このように学校の構造と変わらない大手塾のシステムにも問題がありますが、成績が上がらない本当の理由は・・・はっきり言いましょう。単に生徒自身が真剣に勉強していないからです。自分の努力不足を棚に上げ、成績が伸びない責任を他に転嫁すれば気が休まるとは思いますが、本質から逃げてはいけません。このようにいつまでも甘えていると・・・落ちますよ、皆さん。そして、「うちの子は悪くない」と甘やかす親が子を落とすことになるのです。
しかし、彼らが努力しにくい環境にあるのも事実です。その原因である大量の宿題を出す塾のシステム。これも無用ですね。「早く終わらせて楽になりたい」と思った瞬間、宿題は子供にとって「敵」となります。宿題を「自分の自由時間を奪う憎い敵」と思ったとき、もうそこからは何も得られません。これは理屈ではなく、お子さんの心が拒否反応を起こしてしまっているのです。そしてこれが宿題に対してだけではなく、学習そのものが「敵」であると思い込んでしまえばその時点で受験は「ジ・エンド」となります。役立つはずの宿題がこのように本末転倒の呼び水となるリスクが高いのです。
また、当日教わった単元の宿題にかまけ、そこに大量に時間を使いすぎると、それ以前の半ば忘れかけている単元(例えば5年次の内容)の見直しが出来なくなります。その結果、せっかく自分の躓きの原点を知るチャンスでもあった夏休みを非効率的に費やすことになってしまいます。
更に言えば、「宿題をやっているから大丈夫」という安心感にも問題があります。「宿題をきっちり仕上げました。、先生に偉いねと褒められました。いい気持ちになりました」と、成績が伸びることは別問題です。成績を上げない宿題は無用の長物であり、その時間は徒労の蓄積です。そのあたりをシビアに理解してしていらっしゃいますか?
ところで、本日のテーマは「原点回帰」でした。「国語の成績が伸びない」という問い合わせも本当に多いです。いつも相談時間に30分近く費やしてしまいます(笑)。
なぜできないのか?それはどうでもいい宿題に追われ、躓きもしくは国語の原点に回帰する余裕がなかったからです。
もう無駄なことに時間を使う余裕はありません。原点に視野を移すことで国語はあっという間にできるようになります。もちろん他の教科もです。(講師の言うことを守り、自己流を捨てるという条件付きであれば)
国語は成績が最も伸ばしやすい教科です。成績の底上げを狙い、追い上げるならこの科目で勝負すべきですね。
次回は更に話を進めてまいります。