過去問対策のお話。②
2017年11月15日
続きです。
前回お話した通り、入試問題には一定量の初見の問題=どの塾のテキストにも掲載されていないような問題、が出題されるものです。対策としてはこのような問題を飛ばし、既視感のある問題を優先的に解いていき、そこでできるだけ得点を重ねる作戦に出るのが効率的なのでしょうが、初見の問題を全く手つかずのまま放置しておくのも、もったいないような気がします。
実は学校側は「受験生はこんな問題は見たことがないだろうなと思える問題」を、それを百も承知で出題してくるのです。とても意地悪な気がしますが、私はこのような問題に出くわした時には(生徒には)「必ず問題文自体がヒントになっているはずだから、先ずはそこを丁寧に読むように」と指示しています。つまり、初めて出会った問題であったとしても、あらゆる方面にアンテナを張り、ヒントになりそうなことを貪欲に探す、あきらめない心・忍耐力・集中力・柔軟性を学校側は見たいのです。
実は参考になる問題が今回の合判テストにも出ていました。(第五回テスト・理科・大問6)
(問い)層雲・積雲・巻雲・乱層雲・巻積雲・高層雲・高積雲・巻層雲・層積雲の中から、上層にできる雲を全て選びなさい。
「えー、雲マニアじゃあるまいし、雲の種類なんて覚えてないよ。無理無理。」といってあきらめてしまった子、わからないから適当に選んでしまった子、そういう子が多かったのではないでしょうか?ですが、問題文を読むと「上層にできる雲の名前には最初に「巻」をつけます」と表示されているではないですか!これを見れば幼稚園児にでもできる問題なのです。初見の問題に出くわし冷静さに欠いてしまった生徒のほとんどは、問題文をじっくり読む「心のゆとり」がありません。ここ最近「理科で点数が取れない」という生徒の大半は問題文をきちんと読んでいない子たちなのです。読まないからできないのです。これは国語にも言えることで「設問をきちんと読み、それに沿った答えを出す」ことができていないのです。これは決して理系のセンス・文系のセンスがない、という話ではないのです。
「何かしらヒントがあるはずだ」と考えられるか否かで得点できるか否かが決まるのです。
初見の問題が出たときはそう心得え、冷静に対処してください。
次回に続きます。