学問に王道なし。②
2017年8月02日
続きです。
「自主的な家庭学習」。受験期間中、最も重視すべきなのはそれです。カリスマ塾・カリスマ講師探しに精を出すことではありません。しかし「うちの子は自主的に家庭学習しているはずなのに成績がちっとも上がらない」とお嘆きのご父兄も多いのではないでしょうか?ですが、受験生なら家庭学習に勤しむのは当たり前で、より多く学習した生徒が、よりおいしいところを搔っ攫って行く、「そういう世界なんだ」とご認識いただきたいのです。頑張っているのはお宅のお子さんだけではないということなんです。
「そうだね。永田先生はガリ勉第一主義者だからね」。うーん。そうではなく、ここで大事なことを申し上げておきますが、私は皆さんに延々と家庭学習することを勧めているわけではないのです。家庭学習自体は大切ですが、四六時中ダラダラと机に向かっていることには反対なのです。なぜならこのような学習の仕方をしている生徒の大半が「実利は無くとも、机に向かってさえいれば、それは勉強時間」と勘違いしているからです。私は「実利をもたらさない学習」では意味が無く、そうなってしまうくらいなら、その時間で徹底的に遊んだほうがマシだと考えてしまうのです。ですから講習期間中も「受験生とはいえ、夏休みなのだからある程度は楽しむように」と個々の生徒には伝えています。話を戻しますが、もしお子さんが「勉強時間中ずっと部屋から出てこない」ようであれば「熱心に勉強に取り組んでいるんだな」と手放しに喜ぶのではなく、中で何をしているのかを疑ってみた方がいいのです。親御さんは受験準備中のお子さんにガミガミ言う必要はありませんが、我が子への監視管理には注力すべきだと思うのです。
さて、そもそも家庭学習をする目的は何でしょう?意味のある効率的な家庭学習とは何でしょう?それは何回も申し上げているように
1. 定着させること
2.「漏れ」を無くすこと
3.1と2を確実に行い、入試で生かし成功させること
これしかないのです。できるはずの問題を確実に得点化するために1を、失点をゼロにし、より得点力を強化するために2を、「得点力100、失点0」にし、確実に受かるために3を行う。この「入試に成功する為に理屈で考えれば当たり前・必要であろうこと」を実行するための家庭学習なのです。
しかし、「家庭学習を頑張っているはずなのに、なかなか成績が上がらない」という生徒は1~3ではなく、全く別のことにエネルギーを使っているから「勉強しているのに伸びない」という不思議な事態に陥るのです。つまり方向性がおかしいから伸びないのです。結果的に「勉強したフリ」を日々重ねてしまっているだけになってしまうのです。
家庭学習は自己満足のためでも、親を安心させるためでもなく、ましてや褒められるためにやるものではありません。
そういう間違ったベクトルのまま家庭学習をするのなら、そんなのやらない方がマシなのです。
では、どうすべきなのか?
そのお話は次回とさせていただきます。