学問に王道なし。
2017年7月27日
※ 今年の新規生の受け入れは既に終了しています。5年生以下という条件で、来期の予約のみをお受けしています。
突然ですが、理科のお話からスタートします。「理科」はその名の通り、理屈で考えることが基本の科目です。理科は(特に物理系では)論理に基づいた思考をしなければ答えを導き出すことができません。摩訶不思議な方法を用いても解けないのです。最近は理科の苦手な生徒が多く、この授業に時間を割くことが多い私ですが、毎日のように理科の授業をしているとつくづく「理科に限らず世の中のこと全てが理屈で成り立っているのではないか」と思えてくるのです。
さて、勉強のできない子どもをお持ちの親御さんは異口同音にこうおっしゃいます。
1.「勉強ができるようになるコツを教えてください」
2.「スピードをつけるにはどうしたらいいですか?」この2つの要望・質問は本当に多いですね。
ちなみに「手取り足取り面倒を見てください」「やる気にさせてください」は受付拒否です。塾はリハビリ施設ではありません。受験は自分のことです。まず自分のことは自分でやる努力をしましょう。やる気はある、しかし、それでもダメだという場合に塾に頼るのが筋というものです。
まず1.のお話ですが、「コツ」「テクニック」「裏技」「手っ取り早く」・・私はこういう言葉が嫌いですね。勘違いしないでほしいのですが、できる子は要領のいい子ではないのです。涼しい顔をして高得点を連発する裏で、ひたすら反復練習をしている「不器用タイプ」なのです。学習量が多いので、解法が勝手に定着してしまう子たちなのです。例えば「やめられない止まらない」とくれば、そのあとにくるセリフは「かっぱえびせん」でよすね。これは覚えようと努力しなくても、毎日のようにカルビーのCMを見ていれば幼児でさえ勝手に覚えてしまいます。「コツ」を教える必要も努力させる必要もなく、自然に覚えてしまいます。勉強もこれと同じことなのです。
次に2.のお話ですが、なぜスピーディに問題が解けない(国語だと文章が読めない)のでしょう?それは時間がかかるからですね。当たり前です。では、なぜ、時間がかかってしまうのでしょうか?それは考えている時間が長いからです。
「え、考えることに時間を使ってはいけないの?」その通りです。スピード感のある「できる子」は考えていないのです。考えていないから速いのです。先程の「かっぱえびせん」ではありませんが、一度きりしか聞いたことがないとすると、「あれ?やめられない止まらないの後のセリフって何だったけな?」と考えます。そして、あれこれ考えた挙句「ポテトチップス」みたいな誤答と選んでしまうのです。時間をロスしたうえ、間違える。笑い事ではなく「できない遅い生徒」の行動はこうなのです。経験量不足=勉強量不足がスピード不足を招くのです。ちなみに「ケアレスミス」の多い生徒も「勉強不足からくる不安・解法の未定着」→「自信がない」→「気もそぞろ」→「集中力の欠如」からそうなるのです。これまた勉強量不足の結果なのです。単なる「あわてんぼう」「そそっかしい子」というわけではないのです。
1と2のお話。ここから何が見えてくるでしょう?それは「学問に王道なし」ということです。「できる子」は皆、毎日毎日ひたすら地道に学習を繰り返し「できる子」になっていったということです。彼らは定着を重視するから得点できる。定着しているから考えることなく素早く解ける。ミスもしない。「学習量と成績は比例する」という理屈がわかっているのです。
学習量を増やせば解法が定着する。「漏れ」を無くせば次の「得点源」になる。苦手分野を無くせば失点が無くなり、結果的に嫌でも受かってしまう。これらは当たり前のことです。この当たり前のこと、「物事は理屈の上に成り立っている」ことを理解し行動するかしないかで入試の合否は決まるのです。
次回に続きます。