伸びる生徒と伸びない生徒。③
2010年6月28日
※ 本格的な暑さの到来を予感させるような蒸し暑い日が続きますね。集中力の落ちる季節となりました。こんなときは当塾で自習しすることをお勧めします。周りで学習に勤しんでいる「ライバルたち」の影響を受け、「自分も頑張らなくては」という気持ちになること請け合いです。お互い良い相乗効果を生み、夏を乗り切っていきましょう。
さて、前回は「先天的能力は家庭力によって開花する。開花させるもさせないも親御さんの心がけ・お子さんへの接し方次第だ」という内容でした。
本日はその先天的能力を凌駕するであろう「後天的能力」についてお話いたします。これも「家庭力」が絡む点では上記と同じですが、それ以上に本人の「人間力」が影響します。
先日も申しましたが、入試では「努力する亀」が「寝ているうさぎ」を追い抜くケースが多々あります。ですから、「うちの子は生まれつき・・なので、受験なんてとても無理」などと最初から見限ってしまう必要はありません。ただし、うさぎに勝つためには亀もそれなりの力を身につけなければならないことは言うまでもありません。
その力の源泉が「後天的能力」ということになります。が、この能力は勝手に開花するものではありません。まずは「動機」ありき、つまり「受験をしたい」と自らの意志が決定された後に湧き出る能力なのです。
問題はその「動機」の中身。「何となく受験に興味をもって」なのか「どうしても受験を成功させるんだ」なのか、後天的能力はその動機の強弱に比例した形で発揮されたり、されなかったりします。ですから、「うちの子は自分から受験したいと言い出したのに、一向に自ら学習しようという気配がない」のであれば、それは「単なる受験への憧れレベル」なのか「本心では受験する意志はないが、親が勧めるのでそれに気遣い仕方なくズルズルと・・」なのかでしょう(こういう受験は却ってお子さんを不幸にしますので、その兆候が表れた時点で受験をリタイアすることをお勧めします)。
まずは前述のように「どうしても受験を成功させるんだ」という強い意志を持つことが不可欠です。そして、もう一つの不可欠要素。それは「成功を勝ち取るためには何かを犠牲にする。」ということです。
「将来の夢はプロスポーツ選手になることです」と言っていた小学生のほとんどが挫折し、それを叶える者がごく一部にとどまってしまうのはなぜでしょう?
それは「競争が激しいから」。皆が望むプラチナチケットを手に入れるのは楽ではないのです。そして、その競争についていけず、さまざまな口実をつけて自分を正当化しながらあきらめることが習い性になってしまったからです。
そして、「何かを犠牲にし、そのエネルギーを夢の実現に向け注げなかったから」です。
小学生にはいろいろな「楽しみ・誘惑」が付きまといます。遊び・テレビ・ゲームなど。本気でプロスポーツ選手を目指すならこれら「時間を食う」娯楽を後回しにし、その時間でスポーツに打ち込めばいい。理屈ではその通りですね。ですが、それがうまくいかない。これは子供だけの話ではなく、大人もそうですね。「わかっていてもできない」これが人の弱さです。ですが、先程のプラチナチケットはそれを克服し、精進することを決意した人間にのみもたらされます。つまり、「人間力」に優れた者だけに後天的能力が生じ、宿るということです。そもそも人間力そのものが後天的能力なのかもしれません。そして、それを得た人が最終的に勝つのです。
胃の病気を治すには好きな飲酒・たばこを我慢にする。ダイエットしたければ暴飲暴食を控える。望みを叶えるためには(悪い意味での)欲を控えなければならない。これが「自然の理」であり、「しくみ」なのです。
受験生そして親御さんはこれを理解したうえで受験の準備をしてください。
まず強い意志を持つこと。そこから「熱意」が生まれる。その「熱意」が「集中力」「根気」といった後天的能力を発生させる。更に自分の欲を減らす。その減らした時間を学習時間に費やす。このサイクルを辛抱強く入試直前日まで継続させる。これが「人間力」であり、「努力する亀」を生み出す要素となります。
このサイクルの手始めが「夏期講習」。この最初で最後のビッグチャンスを生かすも殺すも皆さんの心がけ次第。当塾では、生徒さん全員にとって有意義な講習にするため、一人ひとりを徹底管理していきます。そのために皆さんの欠けている部分が見つかれば容赦なく指摘してまいりますのでその点はご理解ください。
次回に続きます。