春休みの過ごし方。
2017年3月27日
春期講習が始まりました。2週間余りの期間ですが、実りの多いものにしたいですね。
今回は新6年生、来年受験を目指す生徒に向けたお話です。
当塾のモットーは「できるだけ楽して勝つ」。「楽」という言葉に過敏に反応する親御さんもいますので言い直しましょう。「無駄なく効率良く受かる」です。 今年はこのモットー通りの結果を残せました。おそらく私の授業時間で「悲しくつらい思いをしながら学習した生徒」は皆無だったはず。「何か楽しい気分で授業を受けているうちに受かってしまった」という「ストレスゼロ」の生徒さんがほとんどだったのではないでしょうか?私は怒鳴ったり叱ったりする(勉強に怒りを持ち込む意味が本当にわかりませんので)ことなく、淡々と、しかし時折冗談を交えながらの「緩い授業」を行うことを常としていますのでストレスを感じることはないと思います。それでも成果を上げるにはちょっとしたコツがあるのですが、それは「企業秘密」としておきます(笑)。
しかし、引き締めるべきところは引き締めています。当塾で四教科お任せの生徒さんにはお馴染みの「ベンツの法則」。1日を円グラフで表し、それを三等分した形がベンツのマークに似ているのでそう呼ぶのですが、24時間を「8時間睡眠、8時間自由、8時間学習」に分け、それをきっちり守るよう指示しています。楽しい春休みですので8時間はお好きなようにお過ごしください、睡眠も子どもなら8時間は必要ですね、だけど8時間の学習時間、これはきちんと守ってね、と言っています。
この8時間は生徒の「完全自主学習時間」としています。その間、親御さんの口出しは一切無用。途中で急かすことも叱ることも褒めることもお控えいただいています。「過干渉禁止令」ですね。子どもに誰にも邪魔されることなく「一人で考える力」を養わせるためです。しかし、時間の管理・進捗の管理だけはお願いしています。
与えられた自主学習時間内でどの科目をどのようにどれだけ進めるか?そこは基本的に自己裁量です。その間生徒さんは自分が何が得意で何が苦手なのか?今までぼんやりした認識でしかなかったことを明確にしていく作業もしていただきます。「自身と見つめ合う時間」の大切さ。集団授業でのように受け身のまま流されるのではなく、自分と対峙する時間を過ごしてもらいたいのです。
そもそも塾は「解き方のノウハウを学ぶところ」、家庭は「学んだそれを実践し解法を定着させていくところ」。これが本来の形ですので、それぞれの役割を分担させるのがいいのです。これを混ぜてしまうから塾での拘束時間が必然的に長くなってしまい、そのため子どもは疲弊したままで家に帰り、復習する余裕もなく、翌日また早朝から塾に行くという「通塾することだけに価値・意義を感じてしまい、本来の目的である「学力向上」という実利を得られないまま講習を終えてしまう」という「毎度おなじみのパターン」になってしまうのです。徹底した合理主義者で無駄なことが大っ嫌いな私には本当に信じられない話です。
合理主義、という話なら、根性論・精神論も嫌いですね。もちろん「やる気」は大事ですよ。ですが、それが初めから備わっているという前提での受験ですから、殊更に「やる気を出しましょう」「やる気にさせます」と口に出すこと自体おかしな話です。「やる気のない受験生」は入試前に既に淘汰されているようなものです。
さて、「合理的に且つ効率良く合格する」には具体的に言えば「合格最低ラインと想定される65%チョイ超え目指し」でいいのです。このラインに到達するには(模試での)
1.正答率80%を超える問題で満点を取る。
2.正答率50%を超える問題で8割取る。
3.正答率30%を超える問題で2~3割取る。
4.正答率30%未満は時間があればトライするが、敢えて捨て問でもいい。
をきちんと守ることが肝要です。
※ 入試で満点を目指すことは理想かもしれませんが、敢えてそれを求めないでください。そこがわかっていない親は「入試で成功する」ことより「子を完璧にする」ことに重きを置く傾向があり、難問奇問まで我が子が解けるようにならないと気が済まないようです。しかし、それが子の反発を招き「親子喧嘩」という、非効率的非生産的な時間を自ら作り出してしまいます。愚かなですよね。野球でも10対0で勝つ必要はないのです。勝てばいいのです。1対0でも、10対7でも「勝ちは勝ち」なのです。入試もそうなんですね。
正答率80%を落とす生徒は理解力不足というよりケアレスミスが原因で、50%を落とす生徒はケアレスミスに加え、根本原理が理解できていないから。そこを反省し「自分はなぜ合格ラインに達しないのか?」「各単元の定着度はどうだったのか?」「見て見ぬフリをして苦手単元を今までスルーしてこなかっただろうか?」と内省する時間、これが「8時間の自主学習時間」内で不可欠なのです。そうしつつ、その心に従った学習を自分の意志で進めていく。
「漏れが完全になくなり、各科目全ての解法が定着」すれば、嫌でも誰でも合格するのです。当たり前の話です。この当たり前のことを目指し、その実現に向けた学習を淡々と実行すればいいだけのこと。そこにいちいち根性論・精神論・親や講師の叱咤、長時間拘束など入り込ませる必要はないのです。
今回の テーマの「 春休みの過ごし方」は上記の話からお察しいただけると思いますが、受験生なら漏れを無くすべく、春は「5年生で教わった単元の完全定着を目指す総復習」に費やしてください。それができれば春休みの過ごし方は成功です。
正直、中学受験なんて1~2年集中的に学習すれば受かるもんです。その程度の分量です。それを大層なことでもするかのように、1~2年でできるような内容なのに、年端もいかない幼年期から始めさせ、ダラダラ続けるという時間効率の悪さ。
私は本当にこういうのが嫌いですね。チャッチャとやってチャッチャと終らせばいいのに・・と思ってしまします。
次回は新テーマです。