入試は「自主学習力」で決まる。⑦
2017年3月24日
※ 春期講習以降のレギュラー授業は満席です。土日に限ったスポット授業は一部の時間で可能です。
このテーマの最終回です。
入試勉強は「人に強要されて」「手取り足取り面倒見てもらって」するものではありません。中学入試は自分の人生を形成する最初のチャンス。自分のことなので、自身が当事者意識をもって積極的に動いていく(自主学習していく)のは当然のことなのです。自主学習力=積極的定着力=脳内暗記パン状態。これで落ちるはずはないという理屈です。しかし、自分の意志で中学受験をしたいと言っても、まだ小学生ですので物事を逆算し計画的に進めていくことはできません。思考が浅い子どもゆえにどうしても「目先の楽」の誘惑に負けそうになるからです。そういうとき親は「人生の先輩」として的確なフォローをしていく、しかし、過干渉であってはダメ。怒鳴りつけても、むやみに褒めてもダメ。自身に「想像力・察知力」の欠如、それに短気な性格が備わっていると自覚するなら、その「子育てに向かない性格」を改善してから、お子さんと接するようにしてください。お子さんを変えたいのなら、まず自分が変ることです。
受験生を持つ親御さんが学ぶべきなのは「実際の子育て経験がないのに耳学問で得た知識を頼りに教育を論じる塾講師」からではなく、ご近所に住む「子育てを体験し中学入試を成功させた先輩親」からなのです。私の過去の体験で申し上げれば、こういう親御さんは一様に「明るい」「おおらか」「寛容」。私がお付き合いしていて「楽しい」と感じさせてくれる方は、だいたい入試を成功させていますね。私が楽しいと感じるくらいですから、お子さんも「こういうお母さんお父さんで良かった」と思っているんでしょうね。逆にお付き合いしてみて「ん?」「これでは子どもが辛かろう」と感じさせるような親御さんはたいていお子さんを失敗させています。
「明るくおおらかで寛容な親」は子育ての基本・原点がわかっているから成功するのです。覚えていますか?お子さんが赤ちゃんだった頃のことを。五体満足ならそれだけで十分、幸せにしてあげたい、かわいがってあげたい、親子で楽しく過ごせるような家庭にしたい、と感じませんでしたか?「明るくておおらかで寛容な親御さん」はその基軸がブレることなく、その通りに子と接しているからお子さんは安心して親御さんについていけるんですね。その結果、自立も早くなり自分から動いていく子に育っていく。親も相互の信頼関係が確立されているという自信があるから余裕を持って「待てる」。親子のいい循環が幼少期からでき上がっているから成功するのです。
一方、「他人の子どもとの比較」「親同士のミエの張り合い」「教育雑誌・教育評論家から受ける様々な情報」などに「毒される」ような「他者の価値観に影響されっぱしの弱い親」はいつしか初心を忘れ、自らが子を崖っぷちに追い込んでいくのです。いつの間にか我が子を「代理戦争のコマ」のように扱ってしまっている親。これでは信頼関係が生まれようもなく、親から信頼されていないと感じる子が自分から動くわけなどないのです。「動かない子」「これ以上待てない親」だから、入試直前になって慌てるんですね。そして、失敗。(ちなみに素直にお子さんをかわいがればいいのに、「男親は子に甘い顔を見せず、親の権威を示しつつ厳しく接していかねばならぬ・・云々論」に影響されてしまうようなお父さんがいるご家庭は大抵失敗してますね。本当に男らしい父親は年少者である子どもにはむしろ優しいものです)
純粋真っ白だった赤子に成長過程で様々な色がついていく。色をつけているのは親であり、子は好き好んで今の色をつけられたわけではないのです。
「入試は「自主学習力」で決まる」というテーマでお話しをしてまいりましたが、その力が付くも付かないも親御さん次第だということです。
そして付く付かないは、親御さんのドラスチックな変化の有無によって決まる。
過去を捨てるべきなのは子ではなく親。
その勇気・決意の本気度でお子さんの動きが変わるのです。
(ですが、変わる親は少ない、だから私がお子さんを変え、入試成功に結びつけていく。これが仕事なんですね)
次回からは新テーマです。