入試を失敗させる親の共通点。
2017年2月21日
既報通り入試の結果が出揃いました。しかし、それもほぼ半月前の出来事になってしまったんですねえ。今は新規の生徒さんのお相手をしていますので、尚更遠い昔の出来事のように感じてしまいます。
当塾では毎年7割程度が志望校に入れます。しかし、それには条件があり「最後まで私を信じついてきてくれた生徒・親御さんに限る」ということです。
元々退塾率が低い塾なのですが、それでもリタイアする方もいます。その後を追ってみると大抵の生徒は不本意な結果に終わっています。その理由を「辞めた報いだ」と考えているわけではありません。「辞めた」「辞めさせた」には共通の理由があり、それが不本意な結果を招いたと考えているからです。
「中学入試を失敗させる親」には共通点があります。「厳しい親」「甘い親」それぞれに短所はありますが、それ以上に深刻なのは、「心配性の親」です。「すぐに結果が出ないから心配」「お金を払っているのに効果がなかなか出ないから心配」「子どもの成績が安定しないから心配」「受かるかどうかが心配」「子どもの将来が心配」・・・もう「心配の○○箱や~」と言いたくなります。心配だから辞める→理想郷は他の場所にある。まさに「青い鳥症候群」ですね。塾業界では転塾を繰り返す方を「渡り鳥」とも言ったりします。おそらく塾を辞める方の大半が「心配」を理由にこのような行動をしてしまうのだと思います。
しかし、これのどこがマズいかと言えば「誰の得にもならない」という点です。心配している親が年中軽い鬱状態であること自体が損ですし、自分のせいで親が苦しんでいる、と、自責の念に駆られる子どもも精神的に損しています。逃げられた塾も損ですね。家庭も暗くなるし誰も得しないことを積極的にやっている。それがマズいのです。
そもそも心配の根源は何でしょうか?成績が伸びす志望校に入れない、としましょう。ですが、志望校に入れないと何がいけないのでしょう?将来が不安だから、一流の大学に行けなくなる可能性、一流の会社に行けなくなる可能性が高いから・・で、それのどこがいけないのでしょう?高収入が得られず、厚生年金その他手当も満足に・・あれ?最終的にはお金の話に行き着くの?。要は子どもが貧乏になるのが不憫な、みたいな感じの心配なのでしょうか?もしくは、子どもが低位校に通うのが恥ずかしいとか、そういうことなのでしょうか?
先日の「運の育て方」でもお話ししましたが、心配は自分を信じていないから、ひいては子どもを信じていないから生じるのです。つまり将来をマイナスに設定しているから、マイナス通りに終結となるのです。「心配性の親が子を失敗させる」というのはそういうことなのです。
また、「子どものことが心配」というのも本当のところは「心配させる子の面倒を見る自分が不憫」、つまり「自分がかわいそうな立場になりたくないから」、もっとはっきり言えば「自分がかわいいから」です。そう言われると少しムッとしますよね。しかし、心の奥の奥にはこういう気持ちを抱えているのではないでしょうか?
心配というのは「自分可愛さ」が生み出す感情です。
ですが、自分可愛さが悪いとは思いません。自分がかわいいのに、それを隠していかにも「相手のために」「子どものために」と、カモフラージュしていることが不健全だと思うのです。
「パパママはできない子を持ってストレスを抱える人生を歩みたくないから、パパママのために勉強して」、と、ストレートに子どもにそういうことを言う親御さんはいないと思いますが、すると意外と「わかった。大事なパパママを苦しめたくないから、僕頑張って勉強するよ」と反応するかもしれません(これがいいのか悪いのかは別にして)。
中学受験は大都市ならではの「ガラパゴス現象」です。地方では公立中→公立高校が当たり前。
あまり狭い世界の中でストレスを溜めず、「落ちるかもしれない、だけどそれだと公立中行き決定、学費が掛からずに済むから逆にラッキー」くらいのノリだと、お子さんも安心できるかもしれません。
※ちなみに上記のセリフは私がかつて娘に言ったものです。
次回に続きます。