「国語の学習法」 要点の見つけ方。③
2010年6月02日
前回は「要点の見つけ方」についてその方法の何種類かをご紹介しました。そして、文章全体に散らばっている各要点の「共通点」こそが「テーマ」と呼ばれるものであり、それを基軸に置いて問題を解きましょうという話もいたしました。
一度だけの演習だけでは身につきません(そんなに簡単なら誰も中学受験で苦労しません)。「習うより慣れろ」ですね。何度も復習したり、いろいろな文章に接し上記を実践することで自ずと「国語のパターン」が見えてきます。それまで辛抱できるかどうかは皆さん個々の「人間力」にかかっていますが・・。
さて、先日お伝えした「要点の見つけ方」で最も有効なのが、5番目に説明した「具体例の前後の文」です。当塾ではこれを「具体例サンドイッチの法則」と銘打っていますが、説明文・論説文・随筆文では必ずと言っていいほど使用します。これを押さえることが重要です。
具体例の前後にどうして要点(筆者の言いたいこと)があるのかは理屈で考えれば分かります(そうです、どの教科も理屈・しくみから入っていくことが大切です)。
本来、筆者は読者に対し自分の考え(要点)だけを伝えればいいのです。しかし、それだけでは文章が味気なくなりますし、自分の考えが相手に十分伝わったかどうかも不安になる。そこで「要点」を述べたあと、「具体例」を用いその補足説明をする。そしてそれが終わったあと、読者に再度理解を促すため自分の考え(要点)をもう一度記し話を締める。文章はこの繰り返しで構成されているのです。
ですから、結果的に具体例の前後の文が「要点」となるのです。
最後に具体例の見つけ方(始まり方)を覚えておきましょう。
1.「たとえば~」で始まる文。
2.「先日このようなことがありました~」など過去のエピソードから始まる文。
3.会話文が多用されている箇所。
4.人名・地名・年月日が多用されている箇所。
1~5の始まる前、終わった後、つまり、「具体例の直前直後の文」には目を光らせ、チェックを入れる習慣をつけましょう。