知識を広げることの大切さ。
2016年11月25日
※ 第五回の合判で当塾生は全員総合偏差値50超えを果たしました。成績を安定させる目標はクリアできました。後はどのくらい上積みできるかが課題です。入試まで残り70日。頑張っていきましょう。
さて、中学入試で成功するのはどういう子たちなのでしょう?大きく分けると以下の3つになります。
1.他者よりも多く知っている。
2.他者よりも多く解ける。
3.他者よりもミスが少ない。
理屈で言えば1~3が総合的に優れている生徒が受かります。この中で俗に言う「暗記物」は1に当たります。特に国社で点を取れる生徒はこの点で有能です。一般的にこういう生徒に対しては「それは記憶力がいいからでしょ」と一括りで評価してしまいがちですが、本当はそうではありません。例えば彼らに「明日までに漢字30個覚えてきなさい」という宿題を与えたとしても、そんなに嬉々として取り組むわけではないのです。
「他者よりも多く知る」の原動力は好奇心です。もしくは「それを知らない自分が許せない」「知っておかなければ気が済まない」という性格的なものです。後者が先天的なものなのか、家庭環境によるものなのか、そこははっきりとは断定できませんが、いずれにせよこういう子は何でもよく知っている。これは単に「記憶力がいい」だけの話ではないのです。
例えば「あみだくじ」という言葉があります。この言葉自体は知られていますが「なぜ、あみだ=阿弥陀なのか?」と疑問を持ち調べようとするのか、何の疑問も持たずに使い続けるのか、そこで差がつきます。
疑問に思ったこと、納得できないことがあればすぐ辞書を引く、ネットで調べる、親に聞くなど「知る手段」はいくらでもあります。その間1分もかからないでしょう。その1分を面倒くさがりスルーし「無かったことにする」「見なかったことにする」のか、寸暇をさいて調べるのか、小さいことですが日常的にそれをする習慣があるのかないのかで、知識量で雲泥の差がついてしまいます。
生徒たちのボヤキの中に「こんなのは塾で教わっていない」だから解けない知らない、というのがあるのですが、私立中学は探求心旺盛な生徒をほしがるものです。「かつて何気なく調べておいたことが入試に出る」こともあります。日頃から「疑問を残さないこと」が身に付いていることで、知識が豊富になる=多く知ることでいろいろな方向にアンテナを張ることができる=そのアンテナの数に比例し、人生を幅広くエンジョイすることができるようになる、になっていくのです。
「いやいや知識より知恵が大事でしょう」「頭でっかちなだけではダメでしょう」という声もありますが、知識を伴わない知恵は「根拠のない独善的な思い付きレベル」に過ぎませんし何の価値もありません。世間に認められる知恵にするためには豊富な知識量(裏付け)が必要なのです。
暗記物が苦手、という生徒は頭が悪いわけでも記憶力が悪いわけでもありません。単に「めんどくさがりや」なだけなのです。
成績が伸び悩む生徒=「めんどくさがりやの生徒」は親につつかれて仕方なく覚えようとしますが、興味もないことを強制されているので辛いし覚えられない、一方できる生徒は親にいろいろ言われる前に勝手に自分で動いています。自主的に動いていますから、嬉々としながら知識を増やし定着させていくことができる。
何度も言いますが、子どもがこうなるもならないも、中学入試で成功するか否かも、突き詰めていくと結局は「家庭力の差」「親力の差」ということになります。子は親の背を見て育ちますので、子どもに「わからないことは調べなさい」とガミガミ言うのであれば、まず親自らがその姿勢を見せることが大事です。これが「我が家の家庭習慣」になれば、お子さんも自ずとそうなっていくでしょう。
次回に続きます。