子どもの育て方。④
2016年10月05日
続きです。
「子の要望を親が可能な限り満たす」と、子どもはどのようになっていくでしょう?「甘ったれで自立できない子になる」「親への依存が強い子になる」「もの(お金)のありがたみがわからない子になる」「根性や忍耐力に欠けた子になる」と、悲観的な将来を考えてしまうでしょう。日本は戦後70年も経つのに、未だ「ほしがりません勝つまでは」を潜在的に美化しているからかもしれません。
結論から言えば、「満たされた子」は早く自立します。こういう子は「自分が望むことが天から降ってくる」などと考えているわけではありません。また、経済力のある親にはそれなりの苦労があることも知っています。単に物欲を満たしてくれるからではなく、「親はいろいろな苦労を背負っているにもかかわらず、自分のことを最優先に考えてくれている」ことを、それこそ赤ちゃんの頃から知っている。
だから親のことが無条件で大好き。だから大好きな親の一言一言を素直に受け入れることができるのです。
親が自分のことを最優先に考えてくれるなら、自分も親に何か貢献したい、迷惑をかけたくない、というように「親への感謝、親に負担を強いることの罪悪感」が無意識のうちに子どもの心に根付いていきます。こういう気持ちが早い自立を促し、中学受験の際も「自分から頑張れる子」に育っていくのです。
逆に満たされていない子の方が自立は遅いと思います。年中「早くしなさい」「我慢しなさい」「勉強しなさい」(子どもをダメにする三点セット)と親からガミガミ言われている子は前回のお話のように「親の顔色を見る子」に育ちます。否定されることが習い性になった子は親への承認欲求が強く、承認してもらえるまで親にしがみつく、つまり、「親離れできない自立できない子」になっていくのです。もしくは外の世界に自分の居場所を求めてしまうのですが、それは自立というより逃避ですね。子どもにそんな行為をさせてはいけません。
次回は「父親の話」です。中学受験は本人よりも親が問われる。その中でも父親の関わりが重要になりますので、そのあたりのお話をさせていただきます。