算数のお話。②
2016年9月08日
続きです。
算数のできない人の立場から見れば、それができる人はうらやましい存在に映ります。生まれ持っての才能もしくは遺伝の違いなのか?と感じてしまうでしょうし、それを受け継がなかったから私は理系科目に弱いんだ・・と決めつけてしまう方もいるかもしれません。
私の受け持つ生徒さんの中で算数のできる子の親御さんの職業が医療関係であることは多いのですが、子どもがその遺伝を引き継いでいるから算数ができるのでは?と問われれば、明確な根拠がない以上、そこまで断定できない・・というのが正直な感想です。
しかし、遺伝はともかく日常的に算数に触れる機会は他のご家庭よりは多いと思います。なぜなら親御さん自身が中学受験を体験されている方が多く、算数を得意としてきたから日頃から的確に「中学受験の算数」を子に教えられる立場にあるから、また、子ども自身も将来は親の後を継いで医者になりたいと希望する子が多く、故に親を尊敬する念も強く、逐一漏らさず聞こうとする素直な耳を持ち合わせているからです。つまり家庭内で「算数をする環境」が自然に築かれている、これは大きいのではないかと思います。
算数の出来不出来は遺伝ではなく、環境にある。そして、能力ではなく「日頃の経験量」にある。これが私の考えです。
特に大事なのは「経験量」。最近、生徒や親御さんとはこの話ばかりしています。
例えば「やめられない止まらない~」とくれば、次のフレーズは「かっぱえびせん」ですね(古!)。これは「覚えなければ」、と必死になって暗記するものではありません。日頃CMで1日に何回となくこの言葉を聞いていれば勝手に覚えてしまう類のものです。つまり「聞く経験量」が多いから定着するのです。
算数に限らず他教科も強いお子さんは、各科目の経験量が豊富だからです。先程のCMの話を算数に置き換えれば、「数多くの問題に接する→その単元の解法が勝手に身につく」の回転量を増やすことが上達への早道ということになります。
ですが、「塾の宿題は多く経験量は多いはずなのに成績が伸びないのはなぜか?」という疑問もあるかと思います。
次回はそのあたりを説明しつつ、算数の話を続けてまいります。