夏休みの過ごし方。①
2016年8月07日
7月末から始まった夏期講習も8月に入り、早1週間が過ぎようとしています。当初の「夏休みの期間で一気に成績を伸ばす」という計画は達成できそうですか?しかしながら意気揚々と臨んだ計画も未達に終わり、夏休み明けの最初の模試で結果が出なかった、出なかったどころか逆に下がってしまった、という話はよく聞きます。夏期講習の費用も馬鹿にならず、なのに成績が下がってしまった。期待値が高過ぎた分、子ども以上に親御さんのショックは大きく、「うちの子は頭が悪いのでは」「中学受験に向かないのでは」「塾の指導が悪いのでは」など、あらゆることに懐疑的になり、一気に中学受験意欲を萎ませていきます。夏以降急速に成績を下げていく生徒がいるのは「夏の未達」のトラウマと、そこから芽生える「どうせ今から頑張っても間に合わない」というあきらめの気持ちが原因であることが多いのです。
おそらく「夏休みは一日で使える時間が多いので、それだけたくさん勉強できるに違いない」という「幻想」が夏休みの成果を期待させてしまうのでしょう。しかしそれは「塾にも行かず一日を自由に使え、そこに自主的な学習を充てる」という前提があっての話です。 大手塾での夏期講習の拘束時間は1日8時間、普段の3~4倍です。それに睡眠時間で8時間、その他諸々の3時間を加えて差っ引くと、1日の中で自由裁量で自主的な学習ができるのは3時間程度は残るはず、しかし、その3時間もほとんどが塾の宿題(これも日頃の3~4倍)で消えますので、実質的な自主学習(例えば、苦手教科を強化したい、得意教科を更に伸ばしたい)をする時間はなくなり、当初の計画は未達に終わってしまいます。自主学習ができないのはサボっているからではなくて、物理的時間的に無理だからなんですね。親御さんはその辺りの事情をわかってあげなければいけません。
また、「普段から学習意欲がなく教室の中でボーっとしているだけの生徒」は、それが夏の期間3~4倍になるだけですから、何の成果も望めないのは当然のことです。その現実を知らず「長時間塾に拘束されていれば、そこで勉強しているに違いない」と思い込んでいる親御さんは、休み明け以降辛い思いをすることになると思います。こういう生徒は夏休みに入ったからと言って、急に変わるわけではないのです。やらない生徒はやらないままなんですね。
今回は「夏休みに期待しすぎると痛い目に遭いますよ」というお話しになってしまいました。夏休みに期待するのは,裏を返せば今まで満足できる経緯を積んでこなかったからです。夏休みに一気にそれを取り返す、挽回しよう、という目論見なのでしょうが、今まで満足できない経緯しか積んでこなかった生徒が、夏を期に急に積めるようになる、、なんてことがあるでしょうか?ないと思います。
次回は「本当はこうであるべきだった夏の過ごし方」をお話しします。