成績が伸びない本当の理由。⑧
2016年5月13日
続きです。
タイトルにもある「成績が伸びない本当の理由」ですが、一つ目は(不幸なことに)授業能力のない講師が担当になったから、もう一つはお子さんが勉強に興味を持てないから、勉強が嫌いだからです。しかし、深刻度でいえば後者です。前者はたとえそうであったとしても、学習意欲さえあれば自宅学習である程度カバーできますが、後者はその逆。つまり講師に授業能力があっても本人が聞く耳を持たないと「掛けるゼロ」をしてしまい、有効な授業を無効にしてしまうからです。
それで前回の話にもどるのですが、お子さんが後者になる原因を作ったのは親御さんです。そういう家庭環境にしてしまったことに問題があるのですね。私も過去に様々な形態の家庭を見てきましたが、「これは危ないな」と思える家庭にはいくつか共通点があります。例えば
1.母親は熱心だが、父親の顔が見えない家庭。この場合、父親が受験に無関心なのか、教育は妻任せなのか、双方の教育方針が違うからなのか、仕事で忙しいからなのかその点は不明だが、いずれにせよ家族全体で受験する我が子を盛り立てていこうという気配を感じさせない家庭。
2.親が塾任せの家庭。自分たちにもできることはあるはずなのに、「自分たち夫婦には教えられないから」「忙しいから」という理由で外注任せになっている家庭。
3.子どもの学習時間に親が遊んでいる家庭。例えば土日に父親は外で趣味の時間を過ごし、母親はその時間テレビを見ているような家庭。(受験期間くらい一緒にいてあげられないのか?)
これらに共通するのは「受験するのは子ども。親は関係ない」という姿勢です。まあ、このような家庭に「受験の神様」が微笑む訳はないのですが、お子さんの立場からすれば「自分の大変さを共感してくれない親、合格したいという夢を共有してくれない親。勉強に関わってくれない非協力的な親。しかし、ガミガミと小言だけは言う」という感じなのでは?。学校もあって、お友達関係でも悩みがあって、なのにその合間に勉強をしなければいけない受験生はよく頑張っています。その立場を思いやることができるなら、そんな親なら自然に「協力してあげよう」「非力ながら何とかしてあげよう」という気持ちになるはずです。それが「親心」というものです。それがないと、子どもは孤立した寂しい気持ちを抱えたまま勉強せざるを得なくなる。その積み重ねが子どもを勉強嫌いにさせていくのです。共感能力に欠けた感受性の乏しい親が、お子さんの入試を失敗させるのですね。「親力」の有無が合否を決定づける。そういう話です。
では、そうならないためにはどうすればいいのか?次回のお話しとさせていただきます。