「国語の学習法」 文章の読み方⑤
2010年5月17日
先日は「飛ばし読み」の危険性についてお話いたしました。速く読まなくてはと急ぐ気持ちは理解できますが、飛ばし読みをしてしまっては元も子もありません。
では、どうすれば飛ばし読みをすることなく、スピーディに文章が読めるようになるでしょう?
無計画ではいけません。工夫が必要です。当塾の生徒には「手と目と心の音読」、この「三種の神器」を用いて読むよう指示しています。
手・・芯の出ていないペンを使い、一文一文の端から端までそれをなぞらせて読んでいく。必ず一文の読みを完結させ、内容を理解してから次の一文に進むこと。途中で手を休めたり、挫折したりすることなく、最後までそれを通していくこと。
目・・ペンの動きに合わせて読み進めること。手が止まれば目も止まってしまうので、上記にあるようにペンの動きは絶対に止めないこと。よそ見せず、ペンの真下にある文字から決して目を離してはいけない。集中すること。
「心の音読」・・ただ文字を見ているだけでは「眺めている」のと同じ。これでは目には入るが理解にまでは至らないということになる。音読する目的は文章を立体的に映像化するためである。大切なことは「心の音読」を自分の耳で聞き取り、一文一文の理解に努め、納得してから次の文に進む段取りである。それを完結させること。
これで「飛ばし読み」は防げます。スピーディに読み進めるためには手の動きを意識的に速め、その速度に目の動きを合わせていく。手と目の動きを同時に速めることが大切ですね。
しかし、それには集中力と時間内に読みを完結させる意志が不可欠です。結局原点は精神力ということになりますね。これは他教科でも必要なことですので、毎回の演習で慣らしていきましょう。