「国語の学習法」 文章の読む方④
2010年5月14日
前回は「物語文は5分で、その他は10分で読み切るように」」というお話をしました。かなりハードルが高いなという印象を受けられたかと思います。しかし、その現実を克服しなければ合格は遠ざかります。そこでこれを乗り切るために必要な要素として、
①「集中力・意欲」といった精神の充実。
②練習を積み重ねることで生まれる「慣れ」。
③読み切るために有効な技術の体得。 の三つを挙げたいと思います。
①②は言わずもがなですね。他人に強制せれてやるものではなく、テストを受ける本人が当事者意識を持って自主的に行ってください。
③については「技術論」になりますので、こちらからアドバイスいたします。その一つ目ですが(これは以前もお話しましたが)、「文章の構成を考える」ということです。
例えば、にんじんが苦手なお子さんにそれを丸ごと一本与えても食べませんよね。だけど、食べさせたい。そのとき親はどのような工夫をするでしょう?細かく刻み、ハンバーグの中に入れたりしますよね。そうすればお子さんはにんじんが入っていることに気付くことなく、しかもおいしく栄養を取り入れることができます。
同じように国語の苦手なお子さんに長い文章を見せ「さあ、理解してみろ」と強制しても拒絶反応を示すでしょうし、それでますますコンプレックスが広がり、自信が持てなくなっていくでしょう。
(毎回言っていますが)困ったときは物事を単純化して考えましょう。文章は一文一文の積み重ねで成り立っています。一文は一文字一文字の積み重ねで成り立っています。一文字というのは先程の例で挙げた「刻んだにんじんのひとかけら分」に相当します。一文字の理解ぐらいは容易ですよね。ですから、慌てず、根気よくその一つ一つの「容易な部分」の理解を積み重ねることを意識するような読みを継続すれば結果的に文章全体の意味が理解しやすくなります。
ここで避けていただきたいのは「飛ばし読み」。どうも国語が苦手な生徒は気が短く、性急な子が多いようです。上記の読み方だとまどろっこしいのか、無意識のうちに飛ばし読みをしてしまう傾向があります。(その飛ばした部分が重要だったり、そこを理解しないと文章全体が理解できないこともあるんですけどね)
次回はその辺りについてお話させていただきます。
PS: 当塾で選択問題が苦手だったTさん。先日のサピックスマンスリーテストに続き、サピックスオープンA問題でもほぼ完璧な出来(一問間違え)でしたね。選択問題は要領次第だということが理解してもらえたようです。ただし、油断大敵。解き方を忘れないよう日々練習を重ねてください。