「国語の学習法」 文章の読み方②
2010年5月11日
「行き詰ったときは物事を単純化して考える」。昨日お話したこの発想は国語のみならず、複雑な問題が多い算数にもおおいに活用することができます。
さてそこで、この発想を「文章の読み方」にも応用していきましょう。
よく国語が苦手な生徒は「文章の中身が理解できない」と言いますが、みなさん日本人ですよね?ふだん日本語を使って会話をしたり、それを聞いたりしていますよね?いちいち緊張しているわけではありませんよね?そう、本当は文章が理解できないのではないのです。理解できないと思い込んでいる心がネックになっているのです。まずはトラウマになっている過去の失敗体験を忘れ、気持ちを新たにして文章に向き合いましょう。そして「自分は日本人、文章も日本語。理解できないわけがない」と強気な姿勢で目を通していきましよう。この開き直り。意外と大事なんです。
文章がわからないという原因があるとすればそれはただひとつ、「そこに含まれている言葉の意味がわからない」ということです。これに神経質になり、立ち止まってしまい、「この言葉の意味が理解できないと先に進むわけにはいけない」という強迫観念に陥ってしまう。何とか読み進めてもさっきの言葉の意味が気になり気もそぞろになってしまう。その結果、文章の理解が中途半端に終わってしまうことになりますし、自分の理解に自信が持てなくなってしまうことになります。
この解決法は二つあります。一つは「開き直り」。「こんな言葉の意味はわからなくても大して影響はない。そんなことにとらわれず、文章全体の内容理解に努めるすべきだ」と文章の中身を把握することに神経を集中させる。もう一つは、前後の内容から意味を類推する。正確な意味まで知ることは無理ですが、プラスイメージの意味なのか、マイナスイメージに意味なのかその程度の予測で十分です。とにかく、あまりナーバスにならないことが肝要です。
しかし、わからない言葉があれば次のテストにも出てくる可能性がありますので、必ず辞書で意味を調べ、それを「意味調べノート」に記しておきましよう。この地道な作業の継続をするか否かが本番入試での明暗を分けることになります。
本日はここまで。「文章を読む前から怖気づくことの愚、読んでいる最中に不安に陥ることの愚」をお伝えしました。精神面で強くなることが第一歩。それが克服できてから、ようやく技術論に入ることができます。
次回はその技術の説明、つまり、「物事を単純化して考える」ことを「読み」に応用させていくというお話をさせていただきます。