テストの受け方。➄
2015年9月04日
続きです。
先日までは「ケアレスミスに因る」あるいは「無理解に因る」失点についてお話ししてまいりました。今回は3つ目の「知識量不足に因る失点」についてのお話しです。
「無理解に因る失点」は本人だけの問題だけでなく、大人の適切なケアが伴わなければなりません。しかし、知識量を増やすという作業は基本的には暗記ですので、これは時間・労力・意欲が充実していればいくらでも増やしていけるはずです。
にもかかわらず、知識量の不足=漏れだらけになる子どももいます。そういう生徒は総じて受験生として当事者意識の低い下位生であり、暗記に対する妥協点も低いですね。彼らは目の前の義務しか果たそうとせず、それ以上のことをやろうとすれば、それらがすべて(夏休みの宿題の如く)負担になり、結局「やっつけ仕事」になってしまい、 例えば「神奈川県の県庁所在地は?」という質問には「横浜」とだけ覚えて答えて、それで満足してしまうのです。また、付け焼刃の程度の「やっつけ」ゆえに定着も期待できません。
概ね「できる子」というのは臆病です。テストでは何が出題されるかわからず不安で、全てを覚え込もうとする、可能な限りアンテナを張り巡らそうとする。結果的にそれが執着につながり幅広い知識を得るに至るのです。先程の質問に対しては「横浜」だけで安心することなく、「その他政令指定都市は?」「交通は?」「人口は?」「歴史は?」など、「神奈川」からだけで10~20近いインフォメーションを受け入れようとします。自ら進んでそうしようとするので、アイテムが増えてもしっかり吸収し定着できるのです。
「受験生として意欲がある生徒かどうか?」は、暗記分野での知識量・得点量を見れば一目瞭然です。逆に言えば「親に急かされイヤイヤ覚える」などというタイプの生徒は、受験ではこの分野での得点が期待できず自然に淘汰されていきます。
中学受験はやはり人間としての総合力に優れた生徒が勝ち残る傾向にあります。上位校であれば尚更その傾向が強い。
入試まで残り150日ですが、ここからの踏ん張りが大切ですね。