受験を考える方々へ。⑧
2015年8月04日
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夏の講習明けの九月には、その成果を確かめるべく模試を複数回受けられる方も多いと思います。期待六割、不安四割といったところでしょうか?
ですが、模試はあくまでも模試です。成果が確認できれば良し、満足できない結果であれば、入試に取り組む姿勢がまだまだ甘かった、それゆえに基礎を疎かにしてきたなど、様々な反省点が露呈しますが、であるなら、残り五カ月で軌道修正していけばいいだけの話です。模試の結果は良いに越したことはありませんが、軌道修正すべき箇所が明らかになったのであれば、悪い結果の模試であってもそれで良しと考えるようにしてください。しかし、大事なのは諸々の反省を活かし、合格に近づけるよう努力することです。本番入試での一発合格。受験生が望むのはこの一点のはずです。模試はそのための「肥やし」として利用しましょう。
ところで、私はテストの結果で生徒を褒めることはあっても叱ることはありません。子どもを叱るのは道義上での問題を起こした場合のみと決めています。点数が悪いのは個人の問題であり、それで世の中に迷惑をかけたとかそういうことにはなりませんので、私の中では叱る事由になっていないのです。
とは言え、親が成績のことで叱るのはごく普通のことです。不本意な結果に対してそうなのでしょうが、それ以上に、それに至った過程が問題であると考えているからです。つまり、子どもが大人が理想とする「計画的な学習の流れ」から逸脱したうえに、ロクでもない点数を取ったことを「著しい裏切り行為」と考えてるからです。だから腹立たしく感じるのです。「子どもは親の所有物」」「子どもと親は一心同体」感が強い人ほど尚更その傾向にあります。
さて、点数が取れないと結果は自ずと不本意なものになります。得点できない箇所はそのまま失点になるからです。失点>得点=ダメダメな結果。当たり前ですよね。失点部分を何とかしたいと考えますが、そうなる原因は、
1.単純なケアレスミス
2.算、理(物理・化学)、国(文章題)を解く手法の無理解
3.国(漢字・語句)、社、理(暗記分野)などの知識定着の不徹底
4.点数を稼ぐ気力不足、時間配分ミス
などですね。そこを直せばいいのです。
受験における一流の生徒は上記とは無縁です。しかし、大半の生徒にとっては身に覚えのあることではないでしょうか?つまりみんなグダグダなのであり、そのグダグダっぷりは過去のマイナスの蓄積が要因であろうと推測する親御さんは、そこに行き着いた過程に憤ります。頭の悪さにではなく、「本当にやる気があるの?」と、子どもの心構えに対して憤っているのです。
親御さんの気持ちはわかりますが、しかし、怒ったところで好転する兆しは露とも見えないはずです。叱り飛ばしてもお子さんは素直に反省するどころか、反抗しますし、それに対し親御さんはますます・・となるのは明らかで、それは永続的な悪循環を生み出すだけ。このような非生産的・非効率的なことをなぜなさるのか?私には不思議で不思議でなりません。そろそろ精神論で説き伏せるのは不可能だとお考えになった方がいいかもしれません。親御さん自身も「かつて精神論を注入されて改心した・・」などという経験はないはずです。「自分がされたくないことは子どもにもしない」「子ども時代、自分がしてもらいたかった大人からの接し方を我が子にしてあげる」が子育ての基本指針であると思います。
さて、ですので、上記の1~4を改善させるためにも、お子さんに上からの指示命令・無理強いをするのではなく、親が「受験のパートナー」として接してあげるよう心掛けください。お子さんも好きで今の状況に陥ったわけではないのです。何らかの原因があるはず。まずはお子さんの立場で物事を考える、親身になって子の言い分を聞いてあげるなどをしてください。
親に必要なのは「共感能力」と「感受性」です。どうしても叱らなくてはならない状況でも「感情的」ではなく、「心は冷静に計画的」にです。