受験を考える方々へ。③
2015年6月22日
続きです。
前述の外部環境、そして受験当事者としての資質・資格(内部環境)が整えば、受験にGoサインを出してもいいと思います。ただし、一度受験するとお決めいただいたなら、それを断念せざるを得ないような余程の事態が生じない限り、途中でリタイアすることは避けて下さい。なぜなら「辛いからやめる」を繰り返していると「堪え性のない、何をやらせてもダメな人間」になるだけでなく、「やり遂げた満足感」「成果を得られた喜び」を未体験のまま終わらせてしまい、あとに何も残らなくなるからです(残るのは虚無感だけ)。
さて、継続的な学習を決心し、受験成功を目標に定めたなら、次に「それをいつから始めるか?」が問題となります。中には小学1年から始める方もいらっしゃいますが、それに対しては「小学校の6年間を受験一色に染めるつもり?」と否定的に感じてしまいます。一般論としては準備は早いに越したことはないのでしょうが、物事を先取りして考えられない幼い子どもに「6年後に訪れる受験を意識しながら塾に通いなさい」と要求するのも酷ですし、訳の分からないままでの通塾が習慣化していくうちに、学力を身につけるためという塾通いの本来の目的も徐々に霞んでいき、実質的な効果を得られなくても、塾に通うこと自体が大切という本末転倒な事態に陥ってしまい、しかも親子共々それに気づかず「頑張って塾に行っている」という安心感・満足感だけを心の拠り所として過ごし、現実を直視せず、無意識にそこから逃避しながら、結局何も効果を得られないままで受験当日を迎えてしまったという「親子の悲劇」を何度も目の当たりにしている私としては、受験のスタート時期は早ければ早いほどいいという訳ではないという結論に至らざるを得ません。しかも、スタートが早かった分、学力も先行していると勘違いしてしまい、その結果、軌道修正するタイミングを見誤りダラダラ時間を無為に過ごしてしまい、俗に言う「茹でガエル状態」になり、それにやっと気づいた後、慌てて個別指導の当塾に駆け込んでくる生徒も多いです。
では、どうすべきなのか?につきましては、次回とさせていただきます。