上位校に受かる生徒の特徴。⑦
2015年5月07日
続きです。
上位校と言われる学校の入試問題、それ以外の学校の入試問題。その違いは何ですか?と、問われたとき「そりゃ、前者の問題は難しくて、後者は簡単だということだろ?」となりますが、では、「問題が難しい、問題が易しい」とはどういうことなのか?私の考えを申し上げますと、偏差値60を超える学校の入試問題の傾向は「ため込んだ知識をそのまま吐き出すことで対処できるような安易な問題が少ない」ということです。つまり、ひたすら覚えた知識で何とかなるのが中堅以下の学校の問題、覚えた知識を活用し、初見の問題にも対応させようとするのが上位校の問題です。これが「易しい問題」「難しい問題」ということになると思います。
例えば「茶の生産量が一番多い県は?」のような一問一答形式の問題は上位校ではほとんど出ません。ですから、ひたすらドリルをこなす、ひたすら塾のテキストを暗記するというだけの学習では合格が難しくなります。上位校で出題されるのは「茶の生産量が多い上位三県の地理的特徴から、その生産に適した気候の条件を記述せよ」みたいな問題です。
また、メタンガスを燃焼させる時の酸素の結びつきについてもよく出題されますが、これも大手塾のテキストでは取り扱うことが少ないので、生徒にとっては「初見の問題」となりますが、酸化鉄・酸化銅の単元で習った知識、それに算数の比の問題を応用すれば解けない問題ではありません。ですので、「こんな問題習ったことがない」「知らないことはできない」と、あきらめの早い生徒は即座に受験から淘汰されますが、「何とか工夫してみよう」「よく考えてみよう」と、冷静に且つ自分の持ち得る最大限の論理的思考力・分析力を駆使し、問題に対峙しようとする生徒は合格を勝ち取ることができます。
簡単に言いますと、上位校の問題は「今まで習ったことがない初見の問題」が出やすいということです。その場合、すぐあきらめる生徒と粘る生徒に二極化します。そして、粘る生徒の中でも過去に習った問題を応用して解こうとするか、ただがむしゃらに解こうとするかに分かれ、そこでも明暗が分かれます。そして、最後まで残った生徒が「上位校に受かる生徒」ということになります。
初見と思われても、過去に習った「何かしら」を使って解く問題であることには間違いありませんので、日頃の地道な学習が必要になってくるということです。上位校の問題が難しく感じるのは、知っているはずの複数の基礎知識を総合的に組み合わせて解かなければならないものが多く出題されているからです。
「基礎なくして応用なし」。基礎をそのまま使って解くタイプの問題は少ないのですが、基本問題を解くときは「応用問題を解くが故の基礎問題の定着」という意識の下で学習していただければと思います。
次回に続きます。