上位校に受かる生徒の特徴。➅
2015年5月05日
続きです。
「中学受験は自分のためのもの」。それは分かっているし、親にも散々そう言われている、なのに、自分から机に向かおうとしない。そんなお子さんは多いと思います。大学受験、大人になってからの資格試験合格を目指す学習は、親に強制され渋々行うものではありません。それは合格するメリットを他者に説かれるまでもなく、自らが重々理解しているからです。つまり、「自分の利」になるとわかっていることには驚くほど自主的に動けるものなのです。しかし、子どもは大人が歯がゆくなるくらい目先の利にしか食指を動かそうとせず、将来を見通した逆算的発想ができません。これについて私は「子どもとはそういうものなのだ」と、すでに悟っており、であっても、そんな子どもにコーチングを施し、どうすれば自主的に学習させられるかについて知恵を絞る・・というのが私の日課となっています。
ですが、ごく少数ですが、そんな私の苦労を一笑するような、自分の将来を大人並に見据えて学習していこうとする生徒もいます。こういうお子さんはたとえ初期の段階では出遅れていても、継続的に学習することを厭いませんので、地道なカメの歩みが勝利をもぎ取るが如く、確実に成功への道を歩んでいきます。
こういう「大人のような考えを持つ子ども」、これが上位校に受かる生徒の特徴の一つです。
上位校に通っている生徒の通学風景を見ればわかるのですが、その顔付きはまさに「大人のような子ども」。他人を顔で判断してはいけないとは言いますが、事実、賢い子どもというのは、顔がきりっとしている、というか、しまりがあることが多い。もっと言えばオーラがある。逆にうつろな目をして口をぼけーっと開けて歩いているような生徒は私の知るところでは皆無。それは内に宿った精神年齢の高さがそのまま表面化しているということの表れだと思います。
しかし、子どもは自然にそうなるわけではありません。そういうお子さんになるもならないも、幼児期から親御さんがどう接してきたか、その関わり方の出来不出来に影響されます。勉強ができるできない云々、学習習慣がついているついていない云々の前に、問われなければならないのが「幼児期にどういう育て方をしていて、今に至ったのか?」ということです。今の姿は過去の集大成に過ぎません。
そこに目を向けようとせず、親としての不勉強を棚に上げたり・責任を放棄したり、だけど、中学受験だけは成功させたい。こういうのを「虫のいい話」というのだと思いますが、そのようなことはさておき、お預かりした生徒さんを成功に導けるよう真摯に職務を果たすのが私に求められていることだと受け止めております。
次回に続きます。